美輪明宏の「人生相談」が大好評!「父の不倫で家族が崩壊しました」に対する回答は?

 

『楽に生きるための人生相談』(美輪明宏/朝日新聞出版)

 恋愛、家族、人間関係、現代を生きる人間ならではの不安、生老病死…など、持ちかけられた読者の悩みはさまざま。回答者・美輪さんは、「いつでも、どこでも、幸せになる秘訣は、感謝することを見つけることです」と言う。これは、長崎での被曝、家庭の破産、芸能界デビュー、誹謗中傷、大病・怪我を経て、生きぬいてきた自身の体験から得た「さとり」も反映されているのだろう。

 たとえば、【夫が若い男と浮気をしました】(40代女性)。結婚20周年で娘2人を持つ 主婦が、夫の携帯を見て、男との浮気に気づいてしまった。娘も「キモい」と言い、現在は夫を家から追い出し、離婚調停中。金銭的に困窮はしていないが、自分の何がいけなかったのか、絶望しているとの悩み。回答は【夫への感謝はないのですか】との一喝。他人の携帯を見るという自分の恥ずべき行為を棚にあげ、それまでの夫への感謝の気持ちがなく、娘にまで「キモい」とののしらせていることのほうが問題。感謝すべき事柄と不平不満を秤にかけてみれば、自然と心が晴れるかもしれないと言う。

 タイトルには『楽に生きるための…』とあるが、この世の中は修行場であり、楽をするところではない。苦しみ痛みを持っていない人はいない。また、「人類すべてお互い様」と思うこと、つまり、人それぞれだと割り切ることも大切なのだ。

【父の不倫で家族が崩壊しました】(30代女性)。母からの愚痴をしょっちゅう聞かされ、精神的にぼろぼろ。人生を狂わせた両親を許せない、老後の面倒はみたくない、との悩み。回答は、【母としての自覚を促しなさい】というもの。意外にも不倫をした父親への批判がほとんどない。むしろ、母親は「情緒不安定の身勝手でやっかいな人」との所見。父親は疲れて平穏や癒しを求め、他の女に走ったのではないか、とみたうえで、一家崩壊の原因は母親であり、相談者が精神的にもきついなら、家を出ることまで勧めている。

 道徳に反する行動を【見て見ぬふりが正しいのか?】(60代女性)には、【危険には近づかないほうがいい】。今は凶暴な世の中になっているから、妙な正義感が一番困る、社会的なルールを守れない人たちは自業自得で葬られるはず。注意したいのなら相手の年齢や人柄を判断して対応を変えるべき、という。

 時にシュールな回答もあり、その回答ぶりを読むだけで面白く読み応えがある。相談者の甘さには同情することなく、真正面から否定し、はっきりした回答を寄せている。他人の人生相談だとはいえ、読んでいるだけで意外にスッキリ。回答者・美輪さんにもなぜか拍手をおくりたくなる。

文=塩谷郁子


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