「めがねが似合う人」ってどんな人でしょうか? そもそも、「似合うめがね」ってなんでしょう? 漠然としたものを追い求め、「私には似合わない」とあきらめていませんか?

全く同じ男性の2枚の写真、違いは……

ここに2枚の写真があります。

左右の写真の違い、わかる?(めがね: ACTIVIST EYEWEAR)

同じ男性が同じ服装をして、同じ髪型で同じ表情で、同じめがねを掛けています。あなたにはこの2枚の男性が同じに見えますか? 何か違う所はないでしょうか?

正解は「掛ける位置が違う」ですが、気がつきましたか? 気がついていない人はもう一回その位置を意識して、写真を見てください。

ね? 違うでしょう。その差はわずか3mmほどかもしれませんが、掛けている位置で全く同じめがねでも印象が変わってしまうのです。洋服だって着方がありますよね。靴だってひもの通し方で全然違います。それと一緒。

何度も写真に戻ってもらって申し訳ないんですが、もう一度この2枚の写真を見てください。左と右。あなたはどちらの男性が素敵に見えますか?

一般的な正解は左です。もしあなたが右と思ったならば、それはそれでしょうがないかもしれません。なぜかって、日本人の約8割がベストなめがねの掛け方ができていないからです。

試着の時点でもうすでに右側の写真同様、位置が下がりめ。あなたがわざと「ちょいダサ」を狙っているならそれはそれでOKなんですが……。

どんなに似合うめがねを買っても、掛ける位置で「いまいち似合ってない」になっているかもしれないこと、これで気づいてもらえましたか? 似合うってやっぱり主観。「おいしい」などと同じように、自分が好きならどれも「正解」で、間違いではないんです。ただ、やっぱり一定の基準はあります。掛け方、めがねでいうフィッティングなんです。

どう見られているかセルフチェック!

最近、低価格のめがねをよく見かけますが、フィッティングをきちんとしてないめがねを掛けている人がとても多いです。

ここでセルフチェックをしてみましょう!

まずは鏡をご用意ください。

1: 鏡の正面に顔がくるように。下からとか上からにならないように
2: いつもめがねを掛けている位置でまずはチェック
3: めがねのはしを持ち、ちょっとそこから上げ下げしてみてください

どうですか? 見慣れた自分のめがねでも、目の位置で印象が全然違って見えませんか? 度付きの人は見た目だけではなく、それで度数が微妙に変わり、見え方だって違ってきます。

似合うめがねを見つけたいと思っているならば、視力矯正であれ伊達めがねであれ、きちんとフィッティングができる素材や作り、そしてきちんとしたフィッティングをしてくれるめがね店選びからスタートするのがいいかもしれませんね。

ちなみに、フィッティングは目の位置だけではありません。他にもいろいろ気をつけるところがあるので、もうすでにめがねをお持ちの方は、めがね店にちゃんとベストな位置で掛けているのかチェックしてもらいましょう。

筆者プロフィール: 藤 裕美(とう ひろみ)

1977年福岡県生まれ。眼鏡スタイリスト。10年間、眼鏡屋で働きながら彫金技術を学び、ネジからすべてメガネを製作、個展もひらく。2001年、24歳のときに店長として、SHOPプロデュース、買い付け、さまざまなイベントを企画。2007年、ドイツへ渡り、眼鏡ブランド『FROST』に勤務。作り手側からも眼鏡の知識を深める。帰国後、2009年から眼鏡スタイリストとして活動を開始。いとうせいこう氏との出会いにより、自身のHPで「眼鏡予報」スタート。2011年10月「めがねを買いに」(WAVE出版)出版。 国内外で著名人のスタイリングや、メディア露出、誌面でのスタイリング、講演会、デザインアドバイス、コンサルタントなど、メガネにまつわることをなんでもしている。また、ファッションだけではなく、目の健康や医療器具としてのメガネ選びの大切さを社会福祉施設や幼稚園などに訪問し伝える活動をしている。眼鏡というキーワードを軸に常に新しいメガネの発信を続けている。