ソフトバンクと日本アイ・ビー・エムは18日、自然言語処理能力を持った機械学習システム「IBM Watson」の日本語版提供を開始した。

ソフトバンクと日本アイ・ビー・エムは18日、「IBM Watson」の日本語版提供に関する発表会を開催した。写真は左から日本アイ・ビー・エムのポール与那嶺 代表取締役社長、ソフトバンクの宮内謙 代表取締役社長兼CEO、IBM コーポレーション Watson ビジネス開発担当 シニア・バイス・プレジデントのマイク・ローディン氏

「IBM Watson」は、システムの感知、学習、経験を通じて人と同じように言葉の意味を理解できるというプラットフォーム。IBMは、自然言語を理解し、人間の意思決定を支援するための「コグニティブ・コンピューティング・システム」と称している。提供開始した日本語版では、以下の6種類のAPIを用意する。

  • 自然言語分類: 異なる質問でも意図や意味を理解し、ユーザーが回答を見つけ出せる製品やアプリを開発可能
  • 対話: 質問する人間の個人的なスタイルに合わせた会話が可能
  • 検索およびランク付け: データのなかにある「信号」を検知し、ユーザーの情報検索の精度を向上する
  • 文書変換: PDFやWord、HTMLなど異なるフォーマットのコンテンツをIBM Watsonに最適化する
  • 音声認識
  • 音声合成

6つのAPIを提供する

「IBM Watson」自体は、主に法人に向けて提供されるものだが、コンシューマーにとってもメリットがある。例えば、アパレル業界で導入されれば、ユーザーはIBM Watsonと「黒のジャケットが欲しい」など対話することで目当ての商品を素早く、的確に見つけることができる。18日に開催した発表会では、そうしたデモも披露された。

IBM Watsonと対話することで目当ての商品を探せる

発表会に登壇したソフトバンクの宮内謙社長は、質疑応答のなかで「IBM Watsonを使ったソフトバンクの独自サービスの提供予定」について聞かれ、「スマートフォンをもっと使いやすくするには、Watsonが必要なのではないかと思う」とし、決定した事項ではないと前置きをしながらも、スマートフォンでIBM Watsonを活用することが、ソフトバンクの独自サービスとなるとの持論を展開した。

ソフトバンクの宮内謙社長