PTCジャパンは2月16日、PLMソリューションの新製品「PTC Windchill 11」の販売を開始した。

「Navigate」搭載でカスタマイズが容易に

「Windchill」では多種多様な機能が提供されているため、顧客の多くがOut-Of-The-Boxで使用できることが強みの1つとなっている。しかし、部門によって使用する機能は異なり、使用しない機能が表示されていると使い勝手が悪くなってしまう。そのため、カスタマイズが必要となり、コスト面での負担が増してしまうことが課題となっていた。

これに対し、Windchill 11ではPTCのIoTプラットフォーム「PTC ThingWorx」の技術を活用した「PTC Navigate」という新機能が追加された。NavigateはWindchillから独立したUIであり、ユーザーのニーズに応じて簡単にカスタマイズすることができる。Windchill側のアップデートへの対応も容易なため、カスタマイズ費用を抑制することが可能だ。

使いやすさという点では検索機能「Windchill Search」により、キーワド検索時にヒットしたドキュメントのプレビューが表示されるようになり、ファイルを開かなくてもドキュメント内容を確認することができるようになった。

「PTC Navigate」

検索機能「Windchill Search」。分かりづらいが、画面中央にプレビューが表示されている。

Navigate以外で、ThingWorxの技術が活かされている点としては、「ThingWorx Extension」から「Windchill Quality Solutions」へのアクセスが可能となり、品質情報を統合することができるようになった。また、ALMソリューション「Integrity」と連携し、要件トレーサビリティを実現した。

このほか新バージョンでは、Creo 3.0の最新機能への対応、xBOM変換機能の刷新などの機能強化が図られたほか、Windchillをクラウド環境で利用する事ができるようになった。クラウド環境で利用する場合、データセンターの管理をPTCに任せることもでき、顧客のニーズに合わせて対応するとしている。

「Windchill 11」の主な新機能および機能強化

PTCはPLMの拡販戦略として「大企業向けのPLMからすべての製造業のPLMへ」とうスローガンをかかげており、Navigateの搭載によるカスタマイズ費用の抑制、サブスクリプションでの提供などにより導入ハードルを下げることで、中小企業でもWindchillの採用を増やしていきたい考えだ。