総務省は2月16日、2015年「家計調査報告(家計収支編、速報)」を発表した。それによると、2人以上の世帯の消費支出は1カ月平均(以下同)28万7,373円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比2.3%減少した。前年を下回るのは2年連続。名目でも同1.3%減少した。

消費支出の対前年増減率の推移(2人以上の世帯)(出典:総務省Webサイト)

高齢者層で節約意識が強まる

同省は「年齢が上がるにつれて消費支出の減少幅が大きくなっている。収入減が年金などに限られていることもあり、年齢階級が高い方の節約意識が強くなっているのかもしれない」と分析している。

消費支出の内訳をみると、10大費目のうち9費目で実質減少し、光熱・水道のみ実質増加した。主なものでは、被服および履物は洋服やシャツ・セーター類などが減少し、同7.2%減の1万1,363円。教養娯楽はパソコンや外国パック旅行などが減少し、同4.0%減の2万8,314円。その他の消費支出は諸雑費やこづかいなどが減少し、同4.1%減の6万371円となった。

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は52万5,669円で、実質では同0.1%増、名目では同1.1%増。可処分所得は42万7,270円で、実質では同0.1%減、名目では同0.9%増。一方、消費支出は31万5,379円で、実質では同2.1%減となり、2年連続のマイナス。名目でも同1.1%減少した。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は21万3,379円で、実質では同1.9%増、名目では同2.9%増。可処分所得は18万1,537円で、実質では同1.0%増、名目では同2.0%増となった。他方、消費支出は24万3,864円で、実質では同0.8%増、名目では同1.8%増と、可処分所得より6万2,326円多かった。同省は「不足分は金融資産の取り崩しなどで賄われているとみられる」と分析している。

総世帯の消費支出も2年連続マイナス

総世帯の消費支出は24万7,126円で、実質では同2.7%減少し、2年連続のマイナス。名目でも同1.7%減少した。このうち勤労者世帯の実収入は46万9,200円で、実質では同0.8%減、名目では同0.2%増加した。

単身世帯の消費支出は16万57円で、実質では同2.2%減少し、同じく2年連続のマイナス。名目でも同1.2%減少した。このうち勤労者世帯の実収入は32万6,744円で、実質では同2.5%減、名目でも同1.5%減となった。