NECエンジニアリングは2月16日、極薄金属板などの微細溶接が可能な電子ビーム溶接機「NEB-FFシリーズ」を発売し、1号機として航空計器などの開発・製造を手掛ける東京航空計器へ納入したことを発表した。

同製品では、電子ビーム溶接の特長である高エネルギー密度に加え、電子ビームを安定的に細く絞ることで、歪みが少なく高精度な溶接が可能となっている。これにより、融点が低く加工が難しい板厚0.05mmの極薄銅板の突合せ溶接や難溶接素材、異種金属などの微細溶接を実現。また、真空チャンバサイズのカスタマイズに対応したことにより、装置自体の小型化も可能となっている。

基本設定を除く操作は、部材をセットしボタンを押すだけで完了するため、熟練技術者でなくとも容易に作業を行うことができる。また従来の顕微鏡に加え、真空チャンバ内の様子を映すモニタを搭載したことにより、複数人にて作業内容の確認が可能になり、熟練技術者の「感覚」を視覚的に伝えることができるようになった。

納入先の東京航空計器では、製造時間が約6分から約2分に短縮し、歩留まりもほぼ100%と生産効率が向上したという。

電子ビーム溶接機「NEB 070V-01-FF-Hシリーズ」