“強い中日”を築いた過酷な春…谷繁監督のスタイルは?

 

監督3年目を迎える中日の谷繁元信監督

◆ 厳しい練習で黄金時代を創った落合監督

 中日で過去最も多くの練習量を誇ったのは落合監督ではないか。

 04年、中日の監督就任1年目の沖縄春季キャンプは、壮絶な練習だったという。

 今でも語り草になっている。これまでの10倍練習しないと勝てるチームにはなれないという監督の信念のもと、これまでにないキャンプメニューを選手に課した。

 まず、初日から紅白戦を敢行。「キャンプまでに試合ができる体を作っておけ」と事前に選手に通告していて、状態を見極めるためだったというが、常識では考えられないやり方だった。

 そして、8勤1休、6勤1休…という過酷なスケジュール。練習がハードすぎて20人も故障者が出たというからすごい。

 だが、この〝しごき〟が中日に変化を与え、優勝争いができるチームになっていったのはご存じの通りだ。

 12年の春季キャンプでは、こんなこともあった。

 前年まで監督だった落合監督がファンサービスを疎かにしていたこともあって、選手にサインなどのファン対応を徹底させた。

 しかし、これで練習量が落ち、チームは低迷。楽なキャンプはチームを弱くすることを証明した結果になった。


◆ 鉄拳制裁だけでなく、愛情もあった星野監督

 中日を語る上で、忘れてはいけないのが星野仙一。鉄拳制裁は当たり前?といううわさで、やる気のないプレーや気に入らないプレーには怒号を浴びせる。キャンプでは、選手が戦々恐々としていた話は有名だ。

 昨季限りで現役を引退した元中日の山本昌投手は、現役生活32年間で一番印象に残っていることを聞かれ、「星野監督」と即答したという。

 もし、昔に戻って星野監督の下でキャンプに行けと言われたら、何億円積まれても断ると話したというが、それほど厳しいキャンプだったということだ。

 だが、反面、選手を大切にすることでも有名。ハードな練習の裏に、きめ細かな配慮があった。

 自分は怒るが、コーチには「選手をフォローしてやってくれ」と頼むなど、あえて役割を決めて〝悪役〟を演じていたところに、星野監督の人間性が読み取れる。


◆ 監督3年目の谷繁元信

 迎える今季は谷繁監督3年目。2年間は、プレーイングマネージャーだったが、今年から監督専任。昨季5位に終わった屈辱に燃え、「基本中の基本からやり直すことと実戦練習を組み合わせた、相当ハードなキャンプになる」と鼻息を荒くする。

 正捕手争いも激化し、ある選手は「バーベルを持ちながらのスクワットがきつかった。毎日続くとなると…」と早くも悲鳴を上げている。落合GMとの確執なども注目されたが、谷繁を監督に押し上げてくれたのは、落合GMだ。その恩に報いるためにも、勝負の3年目は、言い訳できない。

 星野監督のような武闘派監督もいたが、ほとんどが穏健派の監督だった中日。キャンプの話題で目立つことはそれほどない印象だが、それでも毎年、確実にチーム力を上げてくるチーム。この春季キャンプのでき如何が、シーズンに直結するだろう。谷繁監督の「仕掛け」に注目してみたい。


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