東京商工リサーチはこのほど、「不適切な会計・経理を開示した上場企業」の調査結果を発表した。

不正がらみの開示内容が増加

上場企業で2015年度に「不適切な会計・経理」を開示した企業は、2016年2月9日までに43件となり、2007年4月の調査開始以来、年度ベース(4月~3月)で最多記録を更新した。これまでは2014年度の42件が最も多かった。

不適正会計上場企業 年度推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

不適切な会計の内容(動機)をみると、利益水増しや損失隠しなど、業績や営業ノルマ達成のための「粉飾」が18件(構成比41.9%)でトップ。以下、経理ミスなどの「誤り」が12件(同27.9%)、会社資金の「着服」が10件(同23.3%)と続いた。単純ミスのほかに、「着服横領」「業績や営業ノルマ達成を動機とする架空売上」「循環取引」など、コンプライアンス意識の欠如や業績低迷を糊塗した要因も多かった。

東京商工リサーチは「今回は着服や横領など、不正がらみの開示内容が例年以上に増えた」と話している。

発生当事者別では、「子会社・関係会社」が20件(同46.5%)で最多。目が行き届きにくい子会社・関係会社でのコンプライアンスが徹底していないケースが目立ったという。

産業別では、製造業が最も多く18件(同41.8%)。利益の水増しを行っていた東芝や、代理店に対する押し込み販売による売上高の過大計上を行った曙ブレーキ工業など、自社の利益を優先するための不正経理が行われていた。