低成績生徒減少に機会均等な教育が効果

 

機会均等な教育は、成績の低い生徒を少なくする効果があるとする報告書を、経済協力開発機構(OECD)が10日公表した。

「低成績の生徒:なぜ成績が下がるのか、支援する方策は?」と題する報告書は、まず、多くの若者が社会・職場で必要とされる基礎的技能を得ないまま学校を終えている結果、自身の将来だけでなく、長期的経済成長にも損失となっている世界の現状を指摘している。こうした低成績の生徒の読解、数学、科学的分野の学力向上を支援する取り組みが、多くの国でほとんど進展していない現実も併せて示した。

報告書の基になっているのは、15歳の生徒を対象にしたOECDの国際的な学力調査(PISA)で得られたデータ。社会経済的に優位なバックグラウンド(素性)を持つ生徒とそうでない生徒が同じ学校で学ぶことが、低成績の生徒が少ないことと強く関連している。つまり、教育リソース(資源)と学生をより平等に学校に分配するシステムこそが、低成績の生徒にとって利益となり、好成績の生徒に不利益にもならない理想的な状況をもたらす、としている。

一方、2003~2012年までのPISAの分析結果では、低成績の生徒の学力を向上させることができた国はほとんどなく、むしろ低成績の生徒の割合が増えている国もある現実が明らかになった。ただし、ブラジル、ドイツ、イタリア、メキシコ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、チュニジア、トルコのように数学能力が低成績の生徒の割合を減らすことに成功した国もある。適切な政策とそれを実行する意志があれば、どの国でも低成績の生徒の割合を減らすことが可能だ、として報告書は次のような提言をしている。

「低成績の生徒を特定し、彼らに合った政策戦略を作る」「初等教育へのアクセス(接近手段)における格差を縮小する」「可能な限り早い段階で補充的なサポートを提供する」「保護者や地域社会との関係強化を推進する」「社会経済的に恵まれない学校や家庭に焦点を絞った支援を提供する」

アンドレアス・シュライヒャーOECD教育技術局長は「低成績に対応することから得られる社会・経済的利益に比べると、それにかかるコストは小さい。教育政策とその実施こそがこの問題を乗り越える助けとなる。全ての子供が学校で良い成績を挙げることが優先され、必要なリソースも充てられるべきだ」と言っている。

PISAは成績を6段階で評価し、レベル2に到達できなかった生徒を「低成績」としている。具体的には、例えばゲージを見てタンクにどれだけのガソリンが残っているかを導き出すのに苦労したりするなど、情報を使ったり理由付けをするような問題に回答できないようなレベル、とされている。

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