ザインエレクトロニクス(ザイン)は2月12日、電源モジュールの新製品「THV81800」のサンプル出荷を開始すると発表した。同社にとって電源モジュール市場参入の第1弾となる製品で、2016年第1四半期よりサンプル出荷を開始する。

「THV81800」は、容量出力電流に対応しつつ、電源制御用IC、Power MOSFET、インダクタおよびその他ディスクリート部品を1つのパッケージに内蔵しており、通常の関連部品により電子回路基板を構成した場合に比較して実装面積を約半分に縮小することが可能。同製品を採用した場合、電源設計や評価にかかる設計工数を削減できるほか、周辺部品点数の削減によるコスト低減および長期信頼性の向上が期待できるとしている。

通常の類似の電源システムでは、電源を取り巻く機器内の負荷が急変した場合、電源電圧がその負荷急変に追随できず、大きな電圧変動(電圧ディップ)が生じ、デジタル回路の誤動作や最悪の場合、負荷を破壊する恐れがある。これに対し、THV81800を用いた場合には、負荷急変に対して瞬時に電源電圧を追随させることで、電圧ディップの発生を最小限に抑制し、上述のような電源トラブルを未然に防ぐことが可能となる。

また、消費電力削減に対しても高い電力変換効率を提供でき、例えば4A駆動時の変換効率では、通常の電源システムと比較して約2%程度の向上を実現させることに成功したという。さらに、同製品は電源シーケンス制御技術Powerlinkerを搭載し、複数の電源出力が必要な場合に電源同士をリンクさせることで、各電源レールの立上げや立下げの順番を自由に設定することもできる。

同社は、クラウドサーバー、人工知能システム、高速画像処理・認識システム、各種産業機器などのニーズに応えていくため、FPGA、DSP、DDRメモリーなどの負荷をターゲットとした新製品を含めて、さらに製品ラインアップを拡充していくとしている。

「THV81800」