ヴイエムウェアは2月10日、デスクトップ/アプリケーション仮想化ソフトウェアの最新版「VMware Horizon 7」と仮想デスクトップサービス(DaaS:Desktop as a Service)「VMware Horizon Air」の新機能「Hybrid-Mode」を発表した。

VMware Horizon 7の新機能は大きく4つある。1つ目の新機能は「インスタントクローン技術によるジャストインタイム配信」だ。この機能により、ワークスペースのプロビジョニングの高速化が図られ、20分以内に2000のデスクトップをプロビジョニングできるようになるという。ログアウト時はイメージが破壊されるため、エンドポイントの安全性が強化される。

2つ目の新機能は新たなプロトコル「Blast Extreme」だ。これはモバイル クラウドネットワーク環境向けに開発・最適化された新たなディスプレイ用プロトコルで、デバイスのバッテリを長持ちさせるという。Blast ExtremeはTCPとUDPが使えるため、幅広いクライアントに対応することができる。

3つ目の新機能は「スマートポリシーとSSO」だ。スマートポリシー機能により、ユーザー・デバイス・接続環境に応じたポリシーを設定することができる。また、VMware Identity Managerのシングルサインオン機能との統合により、モバイルデバイスからパスワードを入力せずにWindowsデスクトップにアクセス可能になっている。

4つ目の新機能は、アプリケーションの配信とライフサイクル管理を行う「App Volumes」の最新版「App Volumes 3.0」だ。App Volumes 3.0はアプリケーションの階層に応じてライフサイクル管理が行えるほか、管理コンソールが統合され、単一の画面でアプリケーションとユーザーの管理が行えるようになった。

「VMware Horizon 7」の主要な新機能

また、VMware Horizon Air Hybrid-Modeは「Project Enzo」を具現化したもので、クラウドコントロールプレーンとVMware Horizon Airに対応したインフラと連携するHorizon Nodeから構成される。

クラウドコントロールプレーンは、VMware vCloud Air上にホストされたクラウドベースの管理レイヤとして機能し、オンプレミスのハイパーコンバージドインフラやVMware Virtual SAN Ready Nodesを単一の画面から管理・配信できる。

「VMware Horizon Air Hybrid-Mode」の仕組み

VMware Horizon Air Hybrid-Modeの料金はサブスクリプション方式となっているため、ハードウェアなどに必要な初期投資は不要。また、Instant CloneテクノロジーをVMware App VolumesおよびVMware User Environment Managementと統合することにより、クラウドサービスと同様のスピードでデスクトップを作成、拡張できる。

そのほか、アプリケーションやデスクトップのワークロードをオンプレミスのデータセンターとクラウドの間で移動できるため、柔軟なハイブリッドクラウドの運用が実現される。

用途としては、クラウドは利用したいが、すべての環境をDaaSに移行したくない場合などに向いているという。

VMware Horizon 7の同時利用1ユーザー当たりのオンプレミスに導入する永久ライセンスの市場想定価格は3万1000円から、VMware Horizon Air Hybrid-Modeの指定1ユーザー当たりの1カ月の利用料金は2000円から、同時接続1ユーザー当たりの1カ月の利用料金は3200円からとなっている(いずれも税別)。