NTTアドは2月9日、若年層における「ビジュアルコミュニケーション」の実態調査の結果を公表した。

同調査は同社が2015年12月23日~24日に、スマートフォンを利用している全国の16歳~25歳の男女を対象として、スマートフォン端末で回答するアンケートにより実施したもの。有効回答数は1,040人。

調査の結果、ビジュアルコミュニケーションの牽引役は動画をよく投稿する女性ユーザーであり、その特長として投稿する写真や動画には仲間との親密性をアピールする内容が多く、また単に「リア充」をアピールするだけではなく閲覧者への配慮も見られるという。

ビジュアルコミュニケーション関連のアプリの利用率を見ると、全体ではLINEが81.0%と最も高く、以下、Twitter(58.0%)、YouTube(51.4%)、Facebook(35.4%)の順となった。女性ではInstagramの利用率が34.6%、写真を編集・加工できるアプリである「aillis」が18.8%で全体と比べて高く、男性よりも写真の編集・加工・共有に積極的だと同社は分析する。

現在利用しているスマートフォン向けサービス(画像をクリックするとグラフ全体が表示されます)

写真や動画の投稿頻度では、何らかの写真を投稿しているユーザーの割合は全体の80.8%を占め、若年層の間では一般的な行為だと同社は見る。1日に1回以上写真を投稿するユーザーは、男性が18.9%、女性が22.2%と女性の方が多い。

数秒~1分程度の比較的短い動画を投稿するユーザーは全体の37.3%であり、写真を投稿するユーザーより少ないものの、かなり浸透していると同社は見ている。短い動画を1週間に1回以上投稿するユーザーは、男性が22.4%、女性が15.8%と男性の方が多い。長い動画を1週間に1回以上投稿するユーザーも、男性が18.9%、女性が8.8%と、男性が多いという結果になった。つまり、1週間に1回以上投稿するユーザーの割合は、写真では女性が、動画では男性が多い傾向にあるという。

写真や動画を投稿する頻度(画像をクリックするとグラフ全体が表示されます)

不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿方法は、全体では「自分のコメントを付けて投稿する」(59.4%)が最多であり、以下「1つのアプリで編集や加工をして投稿する」(38.5%)、「ハッシュタグ(#)を付けて投稿する」(36.7%)の順。他のユーザーに検索・閲覧されることを意識して投稿していると同社は見る。

動画をよく投稿するユーザーは、動画はあまり投稿せず写真をよく投稿するユーザーよりも写真や動画を編集・加工する意識が高く、ビジュアルコミュニケーションが活発だと同社は分析する。とりわけ女性で動画をよく投稿するユーザーは、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」が51.4%、「複数のアプリで編集や加工して投稿する」が48.6%、「アプリ同士を連携させて投稿する」が40.0%と全体に比べて高く、投稿する写真や動画のクオリティにこだわりを持っていると同社は見ている。

不特定多数に向けた写真や動画の投稿方法(画像をクリックするとグラフ全体が表示されます)

投稿内容は、全体では思い出の共有やライフログに関連した内容が中心だった。動画をよく投稿するユーザーのうち、男性は写真や動画を通じて自分自身の姿や特技を中心にアピールする傾向が強く、女性は自分自身よりも自分の仲間を被写体として投稿する傾向にあるという。

投稿により得たい印象としては、全体では「楽しいと思ってもらいたい」が最多で、以下「話のネタになると思ってもらいたい」「センスがあると思ってもらいたい」と続く。

また、動画をよく投稿する女性ユーザーは大勢の人にファッション感度が高いと思われたい傾向にあり、写真をよく投稿する男性フォトユーザーは明るいキャラクターに思われたい傾向にあるとのことだ。

一方、仲間グループに向けた写真・動画の投稿方法に目を転じると、全体では「自分のコメントを付けて投稿する」(50.8%)が最多であり、以下「作成されたアルバムに投稿する」(42.9%)、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」(39.7%)と続き、仲間内へ投稿する場合はアルバム機能を多用している。

動画をよく投稿するユーザーのうち男性は、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」「アプリ同士を連携させて投稿する」が不特定多数の人への投稿よりも若干高くなることから、仲間内への投稿には手間をかけているようだと同社は見る。

動画をよく投稿する女性ユーザーは不特定多数の人への投稿に、男性は仲間内への投稿にこだわる傾向があると同社は分析している。

友人や知人などに向けた写真や動画の投稿方法(画像をクリックするとグラフ全体が表示されます)

また、不特定多数に向けた投稿と比べ、自分や自分以外の人が写った写真や動画を投稿する比率が、特に女性で高くなっており、仲間の写真はクローズなコミュニティに限定して投稿するという配慮が伺えると同社は見る。

投稿により得たい印象では、「楽しいと思ってもらいたい」が最も多く、以下「話のネタになると思ってもらいたい」「思い出になると思ってもらいたい」と続いており、思い出を共有することや共感されることを優先しているという。

不特定多数の人に向けて写真・動画を投稿したいと思わない理由を尋ねると、全体では「閲覧している人に自分自身の行動が分かってしまうから」が34.2%で最も多く、以下「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」(31.5%)、「自分自身が一人で写っていて照れくさいから」(29.7%)と続き、自分の行動が分かってしまうことを最も気にしていると同社は見る。

動画をよく投稿する女性ユーザーは、「自分自身が写真や動画をうまく撮影できていないと思うから」の比率が35.2%と全体よりも高く、写真のクオリティ次第で投稿の有無を判断しているという。また、その他の項目についても高い傾向にあることから、投稿の際にさまざまな配慮をしていると同社は分析している。

不特定多数に向けて写真や動画を投稿したくない理由(画像をクリックするとグラフ全体が表示されます)

仲間グループに向けて写真・動画を投稿したいと思わない理由を見たところ、全体では「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」(30.3%)で最も多く、以下「自分自身が一人で写っていて照れくさいから」(29.6%)、「閲覧している人が関係ないと思うから」(25.8%)と続いており、不特定多数への投稿と同様に自慢に思われてしまうことを気にしていると同社は見ている。

動画をよく投稿する男性ユーザーでは、「一部の閲覧している人にしか伝わらないから」が23.3%、「閲覧している人が役に立たないと思うから」が21.2%と全体に比べて高く、仲間への気配りが伺える。これらの結果から、動画をよく投稿するユーザーのうち女性は不特定多数の人への投稿に気を使っており、男性は仲間内への投稿に気を使っていると同社は推測している。