高齢者の歩きスマホは特に危険 東北大が脳科学的に証明

 

図. 若い人の歩きスマホ中の脳の活動(東北大学提供)

歩きながらスマートフォンを操作する「歩きスマホ」は、高齢者の場合、操作と歩行に関係する脳が若い人のように働かないため特に危険であることを東北大学の研究グループが脳科学的に証明した。若い人でも「歩きスマホ」中の事故が多発しているが、高齢者はすぐにもやめた方がよさそうだ。研究成果はこのほど英科学誌に掲載された。

東北大学病院肢体不自由リハビリテーション科の竹内直行(たけうち なおゆき)院内講師らのグループは、微弱な光を脳に照射して脳血流を計測する「光トポグラフィ」と呼ばれる装置を利用。被験者の頭部に装着してもらい、「歩きスマホ」中の脳の働きに年齢差があるか調べた。

具体的には、20~33歳の16人と、65~78歳15人の二群に分かれ、装置を着用しながらスマートフォンで数字を順番に押す「タッチゲーム」をしてもらった。

その結果、若い人も高齢者も前頭部にある前頭前野の働きが活発になった。さらに詳しく調べると、若い人の場合、左の前頭前野(左脳)の働きが活発になる人ほど、歩きながらでもスマートフォン操作をしっかりでき、右の前頭前野(右脳)が活発になる人ほど、操作をしながらでも歩行がよりしっかりしていた。しかし、高齢者は、前頭前野の働きが活発になっても、操作は上手にできず、歩行も危うくなる傾向にあった。

研究グループは、若い人は、左前頭前野が操作を、右前頭前野が歩行を別々につかさどっているが、高齢者の脳は、操作と歩行を別々に処理できなかったため、とみている。

竹内院内講師によると、高齢者は非常に危険であることがはっきりした一方、「歩きスマホ」は歩行機能や認知機能に良い影響を与えるとされる「二重タスク」になるため、安全な環境下であればスマートフォン機能をリハビリテーションに応用できる可能性がある、という。

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