マネーフォワードは2月4日、2月15日から始まる確定申告を前に、自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」のユーザーであり、2016年に確定申告をする人1042名と、「MFクラウド確定申告」のユーザー328名を対象に実施した、確定申告に関するインターネット調査の結果を公表した。調査期間は1月26日~29日。

2015年度の確定申告を行う理由を尋ねたところ、男性で最も多かったのは「10万円以上の医療費があった」(34%)だったが、女性では「自営業・個人事業主の所得があった」(40%)だった。

このほかに男性よりも女性の方が多かった選択肢は、「副業など2カ所以上からの給与所得があった」(男性18%、女性25%)、「勤務先で年末調整をしなかった」(男性9%、女性17%)、「パートやアルバイトで税金を納めすぎた」(男性は圏外、女性は7%)だった。

2015年度の確定申告を行なう理由

さらに、働き方の変化について尋ねたところ、男女ともに「特に変わっていない」が7割前後に上ったが、男性は女性よりも8ポイント多い。また、「転職した」「アルバイト/パートを始めた」という回答は女性の方が多く、「独立して事業を始めた」も女性が男性よりも1ポイント多い。

この結果および前述の確定申告を行う理由から、女性の働き方が多様化していることと、事業を始める女性が男性よりも増えていると同社は分析する。

働き方の変化について

確定申告の方法を尋ねると、全体の82%が「申告書の作成まで自力で行う」としており、「会計事務所に申告前にまとめて依頼する」や「普段から会計事務所と顧問契約している」はいずれも5%前後で、男女を比較しても大きな差は見られない。一方で、「税務署に相談する」との回答は、男性の5%に対して女性は10%と、男女間で大きな差が現れている。

確定申告の情報収集手段では、「インターネットで検索する」が男女とも6割を超えるが、「国税局のサイトを参考にする」は男性の56%に対して女性は46%と少なく、逆に「税務署の申告会場や窓口で相談する」では男性の20%に対して女性は27%と上回っている。

確定申告の情報収集手段

申告書の提出方法を尋ねたところ、全体では「税務署に持参する」が41%を占め、以下「電子申告(e-Tax)を利用する」(28%)、「郵送する」(21%)と続く。

e-Taxの利用は男性では32%と税務署への持参(39%)との差は小さいが、女性では16%にとどまっている。女性の提出方法では税務署への持参が45%と半数に迫り、また郵送が男性の19%に対して29%と大きな比率を占める。

申告書類の提出方法

確定申告を難しいと感じるか否かを尋ねると、全体の46%が「はい」と答えており、男女別では男性の44%に対して女性は58%と、難しく感じる割合は女性の方が多い。

特に難しく感じる点を聞くと、「申告書の記入・作成」が15.3%と最多だった。申告書は種類が多く、該当する書類を適切に選んだ上で記入欄に正しく記入する必要があるため、難しいイメージを持つ人が多いようだと同社は見る。

2位は「領収書や請求書の保管」(14.2%)であり領収書や請求書は紛失すると計上できないため、こまめに保管し整理する必要があると同社は指摘する。

3位は「使った費用を経費に含めるかどうかの判断」(11.7%)だった。使った費用の全てを経費計上できるわけではなく、必要に応じて資産にしたり、プライベートの支出は経費からは省いたりする必要があるため注意を要するとした上で、分からない経費については専門家に聞く必要があると同社は提言している。

確定申告で難しいと感じる点

確定申告で煩わしく思う作業については、前述の難しく感じる点と同様に「申告書の記入・作成」が最多であり、28.4%だった。以下「領収書や請求書の保管・整理」(26.4%)、「交通費以外の経費の入力」(10.8%)と続く。

確定申告で煩わしく思う作業

会計ソフトの利用状況については、全体で「利用する」との回答は18%であったが、自営業では48%が利用している。医療費控除や株式の配当、不動産所得などの申告よりも、自営業の申告の方が複雑な上、日々の入力が必要になるためだと同社は考える。

確定申告の準備期間を聞くと、「1年を通じて」との回答は全体では16%にとどまるが、自営業では26%と10ポイント多い。自営業では日常的に領収書を整理・入力する人が多いと同社は推測している。