マネーフォワードは2月4日、2月15日から始まる確定申告を前に、会計事務所で働く会計士・税理士・職員120名を対象に実施した、「初めての確定申告」に関するインターネット調査の結果を公表した。調査期間は1月26日~29日。

調査の結果、会計の専門家の6割近くが、初めて確定申告する人が陥りやすいミスとして、「私用の食事代や交通費なども全て経費に含めてしまうこと」を挙げている。本来経費に含めるべきではないプライベートの食事代やタクシー代、備品など、事業以外で使った物も全て経費に含めてしまうケースがあるという。

2位は43%の「領収書やレシートの保管を怠る」であり、領収書やレシートを紛失してしまうと経費計上ができなくなってしまうと同社は注意喚起している。3位は「自分が確定申告をすべきかどうか分からない」(40%)であり、確定申告すべきなのにしていない場合は脱税になると、同社は忠告する。

初めて確定申告する人が陥りやすいミス

初めて確定申告する際に事前にやっておくべきことを尋ねると、「領収書やレシートを保管する」が83%を占めて最多だった。以下、「早めに税理士に依頼する」(52%)、「そもそも確定申告をする必要があるか把握する」(48%)と続く。申告漏れや記入ミスがあると税務調査や追徴の対象になる可能性があるとし、不明点がある場合は早めに税理士に相談することが大切だと同社は提言する。

初めて確定申告する際に事前にやっておくべきこと

初心者が判断しにくい項目を上位3つまでの複数回答で聞いたところ、「資産譲渡の申告」が54%で最も多い。譲渡所得の区分、総合譲渡か分離譲渡か、取得原価不明の場合の申告などは知識が無いと判断しにくい項目だという。

2位は「自家消費」(41%)であり、事業で販売している商品を家庭で利用する場合や他社に贈与した場合の売上計上を指す。3位は「家事按分」(38%)であり、自宅で事業を行う場合や自家用車を事業でも使用する場合などに、事業とプライベートで適切な割合で経費を計上することを指す。4位には「経費の計上」(34%)が入っており、経費計上や特殊な売上計上には専門的な知識が必要になると同社は指摘している。

初心者には判断しにくい項目

2015年度の確定申告で注意すべき点としては、「ふるさと納税の扱い」が44%と最多であり、「財産債務調書の作成」が41%と僅差で続く。ふるさと納税に関しては、2015年度は合計5カ所までであればワンストップ特例が認められ、確定申告の必要は無いが、届出を提出しておく必要があるなど制度をきちんと知る必要があるとのことだ。

2015年度の確定申告で注意すべき点