進路選択 教師より親の影響大

 

進路選択は文系、理系を問わず両親の影響が大きいことが、社会人を対象にした経済産業省の調査で明らかになった。母親は父親と比べ、資格や免許のいる仕事を望む傾向が強い、という結果も出ている。

この調査は、学生が文・理、学科を選択する際に影響を及ぼした要因を探る目的で、40歳未満の社会人を対象に昨年12月に行われた。アンケートの実施者は河合塾で、1万人(理系4,059人、文系5,941人)から有効回答を得た。調査結果は、1月28日に経済産業省で開かれた「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」(座長:内山田竹志〈うちやまだ たけし〉トヨタ自動車会長、大西隆〈おおにし たかし〉日本学術会議会長・豊橋技術科学大学学長)で、報告された。

進路選択に影響を与えた人物として挙げられたのは、文系、理系を問わず両親が最も多く、4割強が両親に影響を受けたとしている。次いで多いのは高校時代の教師、先輩・友人となっているが、合わせても1割程度。両親よりだいぶ影響力は小さい。また、理系選択者は、男性の場合、母親より父親の影響が大きく、女性の場合は、母親の方が大きいものの父親からも文系選択者に比べ大きな影響を受けていたことが分かった。

理系男性の親、特に父親は、理工系・技術系の仕事を望み、理系女性の親、特に母親は、資格や免許のいる仕事、専門的な仕事を望む傾向が強いことも明らかになった。ただし、実際に進学した学科が、両親が望んでいた職業通りだったかどうかは、分野によって差がある。建築・土木や医学・歯学、看護・保健・医療系の学科選択においては、親の影響を強く受けているという結果となっている一方、情報、物理、化学、生物系では親の影響力は弱いことも明らかになった。

理系、特に工学系学科の人気低落が問題とされて、だいぶたつ。志願者減対策として原子力工学科や土木工学科など伝統的な学科名を別の名称に変えた大学も多い。昨年、日本国際賞を受賞した河川工学者、高橋裕(たかはし ゆたか)東京大学名誉教授のように、「工学とは何か、技術とは何かをきちんと教えていない日本の義務教育に問題がある」とする声も聞かれる(2015年10月29日インタビュー「ハード優先からソフト重視の治水へ」第2回「知識偏重、解析万能の技術者教育見直しを」参照)。同時に高橋氏は「土木工学科への志願者減には、土木というと道路工事の作業者を連想する母親の影響も大きい」と、学科選択に親の影響が大きくなっている現実も指摘している。

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