たばこを吸うシーンが映画などに映し出されることが、若者に悪影響を及ぼすとWHOが訴えている

世界保健機関(WHO)は2月1日、喫煙シーンのある映画やドラマが若者を喫煙に誘導しているとした報告書「Films showing smoking scenes should be rated to protect children from tobacco addiction」を発表した。

WHOは、喫煙シーンを映した映画は、数百万人もの若者に対してたばこを始めるように促してきたと説明。 WHOのDouglas Bettcher博士は、「たばこ広告が厳しい規制を受けてきた中で、映画は数百万もの若者にたばこを露出させている最後のチャンネルの一つとして、いまだに残っている」と苦言を呈している。

米国のある研究によると、新規の思春期世代の喫煙者の37%は映画やドラマがきっかけとなって喫煙を始めているという。米国疾病管理予防センター(US Centers for Disease Control and Prevention)は、2014年の米国だけでも、映画の喫煙シーンに触れたことで600万人もの新しい喫煙者が生まれ、そのうちの200万人はたばこ関連の疾患で将来死ぬだろうと見積もっている。

これらの現状を鑑みて、WHOは「たばこ関連映画の鑑賞に関する年齢制限」「たばこを含む映画鑑賞前における、強力な反たばこ広告の表示」などの政策を講じるよう、各国に呼びかけている。

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