生乳生産者などで構成するJミルクはこのほど、2016年度の生乳および牛乳乳製品の需給見通しを発表した。それによると、2016年度のバターの不足量は8,200トンに上ると見込んでいる。バターの原料となる生乳生産量が減少していることが要因。

都府県で乳牛頭数が減少

2016年度の生乳生産量は前年度比0.6%減の737万4,000トンと予測。Jミルクによると「農家の減少により乳牛の頭数が減っている」といい、北海道では増加傾向が続くものの、都府県では乳牛頭数が依然として減少基調にあるという。

バターの需給(見通し)(出典:JミルクWebサイト)

バターの生産量は同0.7%減の約6万6,700トン、需要量は同横ばいの7万4,800トンとなる見通しで、需要量が生産量を上回る状態が今後も続くとみられる。農林水産省は2016年度のバター輸入量を7,000トンにする方針で、Jミルクは在庫量やカレントアクセス輸入(義務輸入)等を勘案すれば、「需給の安定は確保される」と見込んでいる。

Jミルクは今後の課題と対応について「酪農乳業関係者は一体となって、計画的な乳牛資源の確保とともに、今後策定される具体的なTPP対策や、現在実施されている諸施策の効果を見極め、将来にわたって生産意欲が持てるような取り組みを着実に推進することが重要である」としている。