米Googleは1月27日(現地時間)、iOS用「Chrome」ブラウザのバージョン48の提供を開始した。レンダリングを担うWebView機能が「UIWebView」から「WKWebView」に変わり、前バージョンよりも飛躍的に安定して、かつ高速に動作するようになった。

WKWebViewはiOS 8からサードパーティの利用が可能になっていたが、Cookie管理APIやプロトコルハンドラーの不備を理由にGoogleはChromeで対応していなかった。WKWebViewにスイッチしたことで、WebViewに起因するクラッシュが大幅に減少し、Chromeチームによるとクラッシュ数はUIWebViewを利用していたChrome 47より70%も少ない。また、IndexedDBのサポートなどWeb標準対応も向上し、HTML5テストのスコアが「391」から「409」に上がった。他にも、バックグラウンドのタブへの切り替えで再レンダリングになる回数が25%減少。JavaScriptの実行性能も大幅に向上しており、iPhone 6sを使用したOctaneベンチマークのスコアはUIWebViewのChromeが「1583」だったのに対してChrome 48は「17471」を記録した。

UIWebViewのChrome 47とWKWebViewのChrome 48のクラッシュ数の比較

UIWebViewのChrome(赤)とWKWebViewのChrome(青)のOctaneベンチマークの結果、上がiPhone 6s、下は第4世代iPad

なお、Chrome 48にアップデートしてもUIWebViewのままWKWebViewに切り替わらないケースも報告されている。アップデート前にシークレットモードで終了した場合に起こり、通常のモードで終了した上でマルチタスク画面でChromeのプロセスを終了させると切り替わる。使用しているWebViewは、Chormeで「 https://jsfiddle.net/j4vkwjj2/1/ 」にアクセスすると確認できる。

WebView機能以外の変更点は、新しいタブ・ページのアイコンとSpotolight対応の2つ。アイコンのデザイン改良によって、頻繁に訪れるサイトなどにアクセスしやすくなった。またSpotlightとの連係で、iOSのクイック検索などを用いてChromeのブックマークを検索できる。