U23日本、南野がチームを離脱…五輪出場決定でクラブから帰還要請

 

今大会は無得点に終わったが、笑顔で大会を終えた南野拓実(中央) [写真]=Getty Images

 27日、AFC U-23選手権カタール2016(オリンピック・アジア最終予選)に参加中のMF南野拓実(ザルツブルク)が所属クラブからの要請によってオーストリアへ帰還することとなった。

 日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長によれば、26日夜にザルツブルクより出場決定を祝する連絡があり、同時にチームへの帰還を要請されたという。もともとA代表と異なり、五輪代表にはFIFA(国際サッカー連盟)ルールによって選手を拘束する権利はなく、今回はクラブ側との折衝の結果として参加が決まっていた。

 日本以外の各国も同様に欧州組の招集には苦慮しており、決勝トーナメントで日本と当たったイランやイラクも、主軸と見込まれていた選手たちの招集に失敗しており、グループリーグ敗退となったオーストラリアも苦しんでいた。南野とFW久保裕也(ヤング・ボーイズ/スイス)という二人の海外組が、オーストリアとスイスというウインターブレイク期間のあるリーグに所属していたという幸運に加え、前回ロンドン五輪大会に際してFW大津祐樹(現柏レイソル)の招集に苦慮した経験が生きたことを霜田委員長は明かしている。今回ザルツブルクの顔を立てて帰国を認めるのも、五輪本大会までの招集をスムースにするための関係作りという狙いもありそうだ。なお、久保はこのままチームに帯同する予定。

 出発を前に取材に応じた南野は「決勝前に僕だけこのチームを離れるということで、残りたいという気持ち、優勝する気持ちをみんなで味わいたい気持ちもあります」と、葛藤があったことを率直に明かしつつ、「個人的にゴールは欲しかったですけれど、5試合すべて勝てたということでポジティブな気持ちになれている」と前向きに話した。

 27日の昼に代表のチームメイトに対しては「決勝、絶対勝って下さい、僕も応援しています」と伝えたという。チームメイトの反応については「『あ、そうなんや』というくらいでして、僕個人としてはすごく残念でした」と報道陣の笑いを誘いつつ、「残りたい気持ちはあるけれど、チーム(ザルツブルク)から必要とされていることは、もちろん嬉しい」と前を向いた。

 なお、U-23韓国代表にはFWファン・フィチャンというザルツブルクでの僚友がいるのだが、彼もまた一緒に帰国することとなった。これには南野も「ここに来る前は『日韓で当たったら絶対にこっちが勝つ!!』と、お互いに言い合っていましたけれど、いざ(日韓が)戦うとなったら一緒に帰ることになってしまった」と苦笑い。「二人で五輪へ切磋琢磨していければ」と語った南野は、大会での収穫として「チーム力という部分を示せたこと、拮抗した試合の中で勝ち切るメンタル面」を挙げつつ、同時に「個人的にゴールを取れる選手になれるように頑張っていきたい」と五輪本大会へ向けての課題も語っている。

 五輪代表を離れた南野は、オスカル・ガルシア新監督を迎えて2月のリーグ開幕に備えてザルツブルクの練習に合流し、汗を流すこととなる。

文=川端暁彦


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