日本のテレビ番組の"デザイン"、どう思う?

私たちにとって身近な「テレビ番組」にまつわるデザイン。各社、各番組が美術セットやテロップ、アニメーションなどに趣向を凝らしており、アナログからデジタルまで幅広いクリエイティブを見ることができる部分です。

特に日本ではバラエティ番組が多いため、華やかな配色や目を惹く形状などを目にする機会が多いことでしょう。そこで日本在住の外国人20名に「日本のテレビ番組の演出やテロップ、スタジオなど全体のデザインはどう思いますか?」と質問してみました。

■いろいろな色を使ってあるので、面白くてかっこいいと思う。(フィリピン/40代前半/女性)
■とてもカラフルで文字が多い。(イギリス/20代前半/女性)
■いいと思います。わかりやすくてインパクトがあるので。(スウェーデン/40代後半/女性)
■だいたいは鮮やか。(オーストラリア/40代前半/男性)
■マンガみたいだと思います。(韓国/40代後半/男性)
■きれいです。(ベトナム/30代前半/女性)
■明るくてかわいいですが、詰め込んだ感じがします。(中国/20代後半/女性)
■流れがいい。(台湾/40代前半/男性)
■かなりいい。(ロシア/20代前半/女性)
■いいと思います。(ドイツ/40代前半/女性)
■楽しい、おもしろい。(タイ/30代後半/女性)
■すごくすてきだと思う。お金をかけていると感じる。(イスラエル/30代後半/女性)

約3分の2が肯定的な回答だった今回のアンケート。セットはもちろんですが、テロップは色が変わったり動いたりなどの効果も含め「カラフル」という印象を持つ人が多いようです。

アメリカ人お笑い芸人の厚切りジェイソンさんが、日本語を勉強する上でお笑い番組のテロップを見て勉強したというのは有名な話。カラオケのようにセリフに沿って文字色が変わる加工がとても役立ったのだそうですよ。

ちなみにこのテロップを最初に使ったのは、関西ではおなじみの「探偵ナイトスクープ!」という番組。VTR内でナレーションの代わりとして要約やツッコミのために始められたと言われています(今のお笑い番組やバラエティ番組でのテロップは、当時の使われ方とは少し変化しています)。

■派手すぎる。(スペイン/30代後半/男性)
■登場人物よりも派手でどの番組も同じに見えます。(マレーシア/30代前半/男性)
■80年代っぽくてよくないと思う。(アルゼンチン/30代前半/男性)

テレビのセットはレンズを通して見られるもの。そのため、セットをデザインされる美術さんは、そのレンズの厚さまで計算して図面を作成するといいます。

小さな画面でも奥行きや動きを感じさせるため、また画面に重ねられるCG効果などとのバランスを取るため、比較的派手やかで鮮やかな色味が選ばれることが多いのかもしれません。

トーク番組やニュース番組など、抑えた印象の美術セットやテロップデザインもありますが、バラエティではにぎやかさを求める傾向が強いため、どうしても派手な印象が残ってしまうのでしょう。

■あまりお金をかけていない印象です。(アメリカ/20代後半/男性)
■つくり話っぽいので好きではありません。(トルコ/30代前半/女性)
■テレビ局に仕事でよく行きますが、意識したことがないので何とも言えません。(チュニジア/40代後半/男性)
■普通だと思います。(ペルー/30代前半/男性)

否定的な印象もちらほら。レギュラー番組では、収録が終わるとセットをバラし、収録前にまたセットを組めるような仕組みになっています。それだけにデザインや強度、組み立てが容易な構造などさまざまな部分で工夫された形にする必要があるため、実はとてもお金がかかっているんですよね…。

トーナメント番組では対抗心をあおる効果が加えられたり、テーマにこだわったバラエティ番組ではそのセットから内容を伝えたり。テレビ番組関連のデザインは、五感に対してさまざまな形で補足情報を与えているとも言えます。そう考えると、厚切りジェイソンさんの例に違わず、海外の方にとっては番組を理解する手がかりとして役立っているのかもしれませんね。