東工大、導電性の高分子ファイバーが自発的に成長する現象を発見

 

東京工業大学(東工大)は1月25日、導電性高分子がファイバー状に成長する現象を発見し、さらに同現象を応用して、ワイヤレス電極間を高分子ファイバーで繋いでネットワーク化することに成功したと発表した。

同成果は、同大学大学院総合理工学研究科 稲木信介 准教授、博士後期課程1年 小泉裕貴 氏、富田育義 教授らの研究グループによるもので、1月25日付けの英科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。

導電性高分子ワイヤーやファイバーなどの一次元構造体は一般に、エレクトロスピニング法やテンプレート電解重合法といった手法により得ることができるが、エレクトロニクス分野における回路の配線には不向きである。

そこで今回、同研究グループは、低電解質濃度条件の電解液中に外部電圧を印加すると、電解液中に生じた電場を駆動力としてワイヤレス電極(ハイポーラ電極)上で酸化反応と還元反応が同時に進行する現象を利用した「ハイポーラ電気化学」に基づくワイヤレス電極上での電解重合を検討。この結果、モノマーとして用いた3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)の重合体であるポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)がワイヤレス電極末端からファイバー状に成長する現象を見出した。

同ファイバーが成長する様子は光学顕微鏡により観察可能で、1mm間隔を約90秒で架橋していたという。得られたファイバーは、電子顕微鏡像から数μm径のファイバーを形成していることがわかった。モノマー構造を変えることで、多彩なファイバー形状を得ることにも成功している。

同手法では、所望の金属線間を選択的に導電性高分子ファイバーで架橋することができるため、同研究グループは、導電性高分子配線のエレクトロニクス応用に向けた画期的な技術であると説明している。

ワイヤレス電極上での電解重合により得られた導電性高分子ファイバー



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