データ・アプリケーションは1月13日、電力小売全面自由化に向け電気事業者向けに統合EDI(電子データ交換)ソフトであるACMS(エーシーエムエス)シリーズの最新版(バージョン4.4)を販売開始した。発売するのは企業内外のシステムおよびアプリケーションをシームレスに連携するB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」、企業間のデータ交換を行う環境を構築するB2Bサーバ「ACMS B2B」となり、価格はいずれも税別でACMS E2X(基本機能)は150万円~、ACMS B2B(同)は50万円~、ACMS運用監視機能(オプション)は50万円~。

ACMSシリーズを使ったデータの流れ

2016年4月からの電力小売全面自由化では中立的民間機関である広域機関が主体となり、電力システム改革が行われる。広域機関は、一般家庭や企業などの需要者から電力供給契約の切り替えを受けて、小売電気事業者と一般送配電事業者間の電力託送契約の切り替え手続きを円滑化する「スイッチング支援システム」を開始。

また、電気事業者から提出される供給計画・連系線利用計画・発電計画・需給計画などの各種計画情報をもとに電力の需給調整を行う「広域機関システム」を開始することに加え、新電力会社は顧客の合計需要量を予測しつつ、自身の発電所出力や購入電力の合計が30分単位で一致するように調整するため、同時同量を行う仕組みを構築している。

最新版では、電気事業者が電力広域的運営推進機関(広域機関)のシステムと連携するために必要な通信プロトコルを新たに追加し、電気事業者が行う電力託送契約のスイッチングを効率的に支援する。

ACMSシリーズは、すでに電気事業者が各種計画情報を広域機関に提出する際のシステム連携もサポートしているほか、Webアプリケーションのブラウザ操作を自動化するオプション製品の「ACMS WebAgent」では新電力会社が行う同時同量に必要な30分電力量データを一般送配電事業者Webアプリケーションからダウンロードできるという。