買いで良いの? 業績不振でもマクドナルド(2702)の株価が下がらない理由

  [2016/01/13]


1年以上赤字経営が続いている日本マクドナルドホールディングス(証券コード2702、以下、日本マクドナルドHD)ですが、なぜか株価は下がりません。

なぜ日本マクドナルドHDの株価は下がらないのでしょうか? 果たしてマクドナルド株は買いで良いのでしょうか? こんな疑問の答えを分析してみたいと思います。


この記事の結論
日本マクドナルドHDの株価が下がらない主な理由は、株主優待の人気が下支えしていることが要因です。

しかし、2015年12月下旬、米マクドナルドが日本マクドナルドHD株の大部分を売却することを検討していると報道されました。筆頭株主と経営権が譲渡されるかもしれない今、日本マクドナルドHD株を買うのはおすすめしません。


日本マクドナルドHD(2702)の動向


初めに確認しておきたいのは、2014年以降、なぜ日本マクドナルドHDが経営に悪戦苦闘しているのかという点です。

事の発端は、2014年夏に起こった期限切れ鶏肉の使用問題。そこに追い打ちをかけたのが、2015年1月に発生した異物混入問題で、それまで築いてきたブランドと信用に深い傷を負わせる結果に。

14年12月期決算は赤字、15年12月期の決算発表はまだ先ですが、14年12月期よりも赤字幅が拡大する見通しとなっています。

イメージ脱却を図りたい日本マクドナルドHDは、改装や店舗統廃合などによる経営のてこ入れを断行していますが、そんな中、2015年年末にビックニュースが舞い込んできました。

米マクドナルドが日本マクドナルドHD株を売却か
日本マクドナルドHD株の約50%は親会社である米マクドナルドが保有しているのですが、その株の大部分(日本マクドナルドHD株の最大33%)を大手商社または国内外の投資ファンドに売却の打診、という報道があったのが2015年12月。

実は米マクドナルドも業績不振に喘いでおり、経営方針を革新している最中。赤字からなかなか脱却できない日本マクドナルドHDの持ち株を減らせれば、業績への影響を薄めることができると考えた模様です。


株主優待制度が株価を下支え
イメージと業績回復に苦闘する日本マクドナルドHD、そして経営母体変更報道。この状況でも日本マクドナルドHD(2702)の株価が下がらないのはなぜでしょうか?

結論から言いますと、個人投資家が株主優待を目当てに日本マクドナルドHD株を買っているからです。


≪日本マクドナルドHD 日足チャート≫



2015年11月には13年ぶりとなる3,000円台を回復し、業績と反比例する株価に注目が集まっていました。

“身売り” 報道があった12月下旬は嫌気売りで株価急落となりましたが、それでも2,500円台を維持している日本マクドナルドHD株。

実は、日本マクドナルドHD株の約41%が浮動株、つまり個人投資家が市場で自由に売買できる株が全体の半分弱あるのです。

株主優待を狙った個人投資家が、売られた株を安値で買っていくという基本的な流れは続くと予想されます。

株主優待は年間約1万円相当の優待券
赤字継続の日本マクドナルドHDの株価を下支えする株主優待制度はどれほどのものなのか、日本マクドナルドHD(2702)の株主優待を見てみます。

取引市場:ジャスダック
現在株価:2,555円
単元株数:100株
権利確定月:12月・6月
配当:30円
株主優待:優待お食事券(バーガー類、サイドメニュー、ドリンク商品引換券6枚ずつで1冊)を年2回
・100~299株保有:優待食事券1冊
・300~499株保有:優待食事券3冊
・500株以上保有:優待食事券5冊

(2016年1月8日現在の情報に基づく)


100株以上保有で貰える優待食事券1冊の価値は概算で約5,000円ですので、1年間株を保有し2回受取ると、1万円相当の優待食事券を受取れます。

そうすると優待利回りは3.91%、配当は年間30円ですので配当利回りは1.17%、配当利回りと優待利回りを合わせた総利回りは5.08%と、堂々たる高利回り銘柄です。

一般的に高利回りの目安は総利回りが4.0%オーバーですから、マクドナルドの株主優待が人気を呼んでも不思議ではないのです。


堅実投資派なら日本マクドナルドHD株は「売り」


日本マクドナルドHDの株価を下支えしているのは株主優待人気であることに疑問の余地はありませんが、日本マクドナルドHD株は買いで良いのでしょうか?

堅実投資派なら日本マクドナルドHD株は買わずに、売り。

独断であることを承知していただきたいのですが、筆者なら今の日本マクドナルドHD株は買いません

経営者が変わるかもしれない日本マクドナルドHD株は買えない
日本マクドナルドHD株は「売り」推奨、というとちょっと語弊があるかもしれません。正確には、今の日本マクドナルドHD株は買えない、と言ったほうが良いでしょう。

なぜ今は買えないのか。最大の要因は、米マクドナルドによる身売り報道があったからです

今までは米マクドナルドが日本マクドナルドを、いわば “牛耳って” きたわけですが、もし身売りとなれば米マクドナルドの支配下でなくなり、新たな筆頭株主が経営権を握ることになります。

企業というのは、基本的には経営者の意向が企業全体の営業とその方向性を掌握することになりますが、その経営者が変わるかもしれない日本マクドナルドHD。

となると、今後の日本マクドナルドHDの方向性、その行く着く先が不透明の状態です。

少なくとも身売り報道の信憑性や動向が確実になってから、言うなれば日本マクドナルドHDの方向性がある程度定まってからマクドナルド株を買っても遅くないと思っています。

また、経営者次第では株主優待制度が見直される可能性が無きにしも非ず、といったところでしょう。

報道では、売却先として国内外の投資ファンドが含まれています。国内ならまだしも、国外の投資ファンドが経営権を握るとしたら、株主優待制度を継続させるかどうかは疑問です。

というのは、株主優待制度は日本国内の特色であり、アメリカなどの国外ではほとんど見受けられない制度だからです。新たな経営者によっては、株価を下支えしている株主優待制度の行方を左右するかもしれません。

身売り報道があった今、日本マクドナルドHD株を買う気にはなれないのです。

日本マクドナルドHDの株主優待は確かに魅力的ですが、様々な不安要素がある程度取り除かれてから、あらためて購入を検討するのはいかがでしょうか。(執筆者:堀 聖人)


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