ソフトバンクロボティクスホールディングスとIBMは6日(米国時間)、人型ロボット「Pepper」向けの学習システム「IBM Watson」を開発し、世界の企業に提供する計画を発表した。

ソフトバンクが販売する人型ロボット「Pepper」

IBM Watsonは、システムの感知、学習、経験を通じて人と同じように言葉の意味を理解できる、コグニティブ・コンピューティング・テクノロジー。企業が活用すれば、IBM Watsonがユーザーが好むブランドや商品との関わり方を学習していくため、より効率的にユーザーへブランドや商品を訴求可能だ。

両社は、同技術を搭載したPepperを世界の企業へ提供していく。提供の形や時期、価格などについては未定だとしているが、開発中のPepperは、IBM Watsonのソフトウェア開発キットを備えており、様々なニーズに対応したAPIへアクセスすることが可能だとしている。また、両社は今後、教室内の教師アシスタントや看護補助など、IBM Watsonの特性とPepper独自の物理的特性を活かした幅広い活用例を研究していくという。

ソフトバンクロボティクスホールディングスの代表取締役社長である冨澤文秀氏は、「Pepper向けのIBM Watsonを開発していくことでIBMと協力することになり、とても興奮しています。Pepperは、ロボット開発のプラットフォームとして、優れた技術との連携を可能にしていく予定です。このたびのIBM Watsonとの連携が、幅広い分野におけるPepperの活用の可能性を広げてくれると期待しています」とコメントを寄せている。

IBM Watsonのシニア・バイスプレジテントであるMike Rhodin氏も「今日、コグニティブ・コンピューティングの力はどのようなフォームファクターにも組み込むことができます。Pepperについてソフトバンクロボティクスホールディングスと提携することで、より多くの人がIBM Watsonを体験し利用することが可能になります。コグニティブの機能を搭載したロボットとの実際のやり取りを経験したとき、人々が密接に携わりながら、新しくエキサイティングな価値をこの技術から見出すことを目の当たりにするでしょう」と述べている。