山場の後の一戦…東福岡、疲労困ぱいも泥臭い勝利でベスト4進出

ベスト4進出を果たした東福岡 [写真]=平山孝志

 ビックゲームの後の試合は難しい。全国高校サッカー選手権大会でしばしば見られる現象だが、熱く激しい最高にテンションの高まる試合をやりきった次の試合で、もう一度最高潮の状態を繰り返すのは極めて難しい。これは選手が人間である以上は仕方ない部分もある。

 3回戦で市立船橋高校との死闘を制した東福岡高校は、中1日で迎えた準々決勝でノーマルな状態にはなかった。対戦相手の駒澤大学高校も故障者が続出して満身創痍の状態だったが、大野祥司監督は「ウチの選手たちの足も動いていなかったが、東福岡は疲れきっているような感じがあった」と振り返る。

 チームは立ちあがりから動きの絶対量が乏しい中でのミスが目立ち、主将の中村健人も「(市立船橋との試合から)気持ちの切り替えはできていると思っていたが、どこかで気の緩みがあったのかな」と首をひねった。

 相手のプレッシャーが特別に速かったわけではない。むしろ大野監督が嘆いたように、駒澤大高が本来持っている激しいプレッシングは影を潜めていた。これは中村が「市立船橋や(2回戦の)新潟明訓高校戦よりも中盤の人数が少なくて楽にボールが持てた」と振り返ったとおり。にもかかわらず、餅山大輝が前線で孤立し、中盤との距離が開いてしまうような時間帯がしばしば生まれていたのは、心身の疲れゆえだろう。

 62分に三宅海斗のクロスから生まれた混戦で、橋本和征が押しこんでの決勝点は何とも泥臭かったが、動けないなりにやりきった成果でもあった。森重潤也監督は、「『本当に勝ちたいんだ』という気持ちを出してくれた」と選手たちの敢闘ぶりを称えた。

「市立船橋戦のような山場を乗り越えたあとの試合できちんと勝ちきれたのは大きい」と中村は言う。トーナメントの6試合すべてをベストパフォーマンスで勝ちきるようなチームはあり得ない。

「試合を重ねていて疲労があるからこそ、チーム一丸となってやる必要がある」というGK脇野敦至の言葉は、この試合内容をよく表現していると同時に、タレントぞろいだった昨年のチームとは異なる、今年のチームが持つ強みもよく表している。

文=川端暁彦


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