獣医師が解説する猫の脱走対策

 

愛猫が脱走した経験がある飼い主は、こんな思いはもう二度としたくないと口を揃えて言います。猫が戻ってこないかもしれないという不安と猫に対して申し訳ない気持ちで、日常生活に支障が出るほど落ち込みます。愛猫が脱走してからでは遅いのです。後悔しないよう必ず対策を行いましょう。

脱走が起こる原因を知っておく

脱走を防ぐにはいつ、どんな状況で起こるのか知っておくことがとても大切です。以下脱走の原因としてよく挙げられるものです。

・猫が玄関近くにいるのに気付かずドアを開けてしまった(帰宅時も注意)
・ガーデニングの水やりのため、ほんの少しだけ窓を開けたままにしてしまった
・大掃除に夢中になっている間に
・いつのまにか猫が網戸を開ける方法を学習していた
・網戸を破った
・高層階に住んでいるので飛び降りないと思っていた
・ベランダから隣の屋根にジャンプした
・いつもはドアが開いていても自分から出ないが突然の大きな音に動揺して飛び出した
・換気窓などの細い隙間を通れないと思っていたが実際には通過できた
・移動時(通院、引っ越しなど)

予防法その1 戸締り

少しの用事でも、しっかりと戸締りをしましょう。玄関付近に猫が近づけないようにしておくと良いです。廊下と玄関の間にドアがあっても、室内用のドアは軽い力で開いてしまうことが多いので注意しましょう。また、外が嫌いな猫でもパニックになると外へ逃げてしまいます。「うちの子は外が嫌いだから大丈夫」と過信せずしっかり戸締りし、短時間でも開けっ放しにしないようにしましょう。

予防法その2 フェンス

玄関への通路をふさぐことができない場合、フェンスを設置しましょう。猫のジャンプ力は体長の5倍、垂直跳びで2m以上という記録することもあるので、子供用フェンスでは不十分です。廊下全体を覆う猫用フェンスが市販されています。換気窓にも小型のフェンスをつけましょう。室内のインテリアに溶け込むおしゃれな木製フェンスなどがあるので探してみましょう。

予防法その3 移動時の脱走予防

まれにダンボールや洗濯袋に猫を入れて移動する方がいますが、とても危険です。また、猫用のキャリーバックもあまり安価なもの(1,000円以下のものなど)はお勧めしません。外に出ると動揺して予想以上にキャリー内で暴れる猫がいます。作りのしっかりしたものを選んでください。猫は必死になるとすごい力を発揮します。

また、リードをつなげるフックが設置されているキャリーもあります。猫にハーネスをつけて繋いでおけば、万が一キャリーから出てしまっても簡単に捕獲できます。二重で脱走を防止できるのでお勧めです。

車での移動中にキャリーから猫を出すのは大変危険なので絶対に行わないでください。ブレーキの下に猫がもぐって事故を起こした例が報告されています。

予防法その4 子供がいる家庭での注意

子供が外に猫を出してしまったという話もよく聞きます。しっかり危険性について説き、開けっ放しにしないように教えましょう。子供がまだ乳幼児の場合はあまり猫と接触しないようにしましょう。衛生面や脱走の危険性だけでなく、猫(特に老猫)は赤ちゃんの鳴き声や、強く触られることがストレスになることもあります。

まとめ

猫は人間が考えているよりも行動範囲が広く、賢い動物です。うちの猫は大丈夫と過信せず、脱走対策を行いましょう。

(画像と本文は関係ありません)

■著者プロフィール
山本宗伸
獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。

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