アジア諸国からの観光客による一人あたりの訪日中消費額ランキングは、第一位中国、第二位シンガポールに続いて、第三位は何と「ベトナム」!

現時点での訪日観光客数としてはそれほど多くはありませんが、伸び率はトップクラスであり、次の「インバウンド」対象国として見逃すことのできない存在です。その国内では今どんなことが話題になっているのでしょうか?ベトナム国内のトレンドを知ることで、次なる「インバウンド」の可能性を探りましょう!

着実に増え続けるベトナムからの訪日観光客

ランキングに行く前に、まずはベトナムからの訪日観光客の概要について見てみましょう。

ベトナムからの訪日観光客数:過去5年で4倍以上に

2010年には年間4万人強だった訪日観光客数が、2014年末には約12万5千人となっており、3倍以上に成長していることが分かります。なお、2015年の数値は1月-11月までのもののみとなっており、2015年11月末で既に約17万5千人が訪日、すでに昨年の年間訪問者数を大きく上回っています。

2010年の年間4万人と比較すると、すでに4倍以上となっています。この背景には、2014年9月から、ベトナムからの訪日旅行者へのビザ緩和の実施もあると考えられます。

来日のピークは4月と10-12月

月別に見てみると、年間を通してベトナムからの訪日客数には波があり、3月~4月と10月が多いことが分かります。ベトナム人には「桜」や「紅葉」が人気であることが理由と言えるでしょう。

ベトナム人にとって日本への旅行者数はまだまだ少ない=これからの伸びに期待

「日本政府観光局(JNTO)」の発表によれば、2014年、ベトナムからアジア各国への訪問者数は、日本へは12万人強である一方、中国へは年間170万人もの人が訪問しています。

このことから、ベトナムにも海外へ旅行する人は相当数おり、今後ベトナムの個人所得がより伸びたり、また日本がベトナムに対してより観光PR等を行っていくことで、さらなる伸びが期待できると言えるでしょう。

一人あたりの訪日中消費額はアジア全体の「第三位」にランクイン

さらに注目すべきは、訪日中に消費する金額の高さです。

観光庁「訪日外国人消費動向調査」平成27年7-9月期の報告書によれば、アジア各国(*)の中で第一位の中国、第二位のシンガポールに続き、ベトナムは第三位で「約17万5千円」を訪日中に消費しているとの結果が出ています。

また、「買い物代」にかける金額も、アジア第一位中国、第二位香港に続き、ベトナムは第三位で「74,554円」となっています。

(*)アジア各国とは、このブログ上では上記表の韓国~インドまでの全11か国を指しています。オーストラリアは含めておりません。

2015年 ベトナム国内人気ランキング

それでは、そんな次なるインバウンド注目国の「ベトナム」では、今年何が話題になったのでしょうか?実際のランキングをご覧ください!

<調査概要>
「ベトナム国内の2015年トレンドランキング」
・調査方法:アライドアーキテクツと株式会社ドリームインキュベータの100%子会社であるDI Marketing Co.,Ltd.(ベトナムホーチミン市)が、インバウンド集客プロモーション支援サービス「モニプラGlobal」を通じて実施。ベトナム国内でのソーシャル上の話題やメディア露出などをもとに50件のキーワードを選び出し、ユーザー投票によってランキング化した。
・調査対象:ベトナムのFacebookユーザー約1,800名

「和食」「家電」など「Made in Japan」ブランドがインバウンド施策の鍵に

ランキング12位にランクインしたイオンモールは、来年にベトナム国内4店舗目をオープンする人気のスポット。モール型ショッピングセンターが普及していなかったベトナムでは商品の品揃えの豊富さに加え、ショッピングエリアとレストランやボーリング場などの娯楽施設を合わせた施設が話題となりました。

ベトナムは日本に対する好感度ランキング(出典:電通「ジャパンブランド調査2015)でも2年連続1位を獲得するほどの親日国家で、中でも「日本食」、「和食」はベトナムでも人気が高く、イオンモール内のレストランの中でも、多くの人を惹きつけています。その他、家電製品やバイクなどでも日本製品が支持されており、価格がその他の商品より高価であっても選ばれる傾向があるようです。

「SNS」が流行の発信地

インフラ整備についての話題が上位にランクインするなど、経済の急激な発展とそれに対する期待感を伺うことができます。また、インターネットに関連した消費に積極的で、ベトナムの新卒月収のおよそ7ヶ月分の価格であるiPhoneをはじめとするスマートフォンも20代ビジネスマンのうち85%が所持しています(出典:Asia Plus「ベトナム人若者調査」)。

Facebookを中心としたSNSが流行の発信地となっており、10位にランクインした「Louboutin」の口紅のように、芸能人やインフルエンサーとなる一般のユーザーが薦めた商品が注目を集め、流行となる傾向があるようです。

第2位の映画のタイトルのもじりや、第7位の女性教師の話題はFacebookで「面白いコンテンツ」として若者世代を中心に流行しており、動画による訴求や現地の流行語に便乗するといったスピーディーな情報収集もマーケティングをする上で重要と言えます。

これからますます注目すべき「ベトナムからの訪日観光客」。このような消費者の意識変化や背景、トレンドをきちんと捉えて、効果的なプロモーションを実施していきましょう!

本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。

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