海外では「会社仲間で飲み」はありえない!?

年末年始は何かと飲む機会が多いもの。親しい仲間のほか会社仲間との飲み会で、メンバーを変えては今日も明日も忘年会、という人もいるだろう。そうした「飲みニケーション」は、外国人の目にどううつるのだろうか。そこで今回、日本の飲み会文化に関して思うところを日本に住む外国人20人に聞いてみた。

いい文化だと思う

・「日本の飲み会はにぎやかで、みんなわいわい楽しめるので大好き。インドネシアにはない日本のマナーは他の人にお酒を注ぐこと」(インドネシア/37歳/男性)

・「会社で集まって飲むようなことはフランスではない。日本ではよく見かけるが、話すきっかけのない人と交流できるしいいことだと思う。飲み放題はフランスにはないが、あんまりいいことではないと思う。皆飲み過ぎる問題もあるし、飲み放題で出されるお酒があまりおいしくないこともあるので好きではない。おいしい数杯の方がいい」(フランス/30歳/男性)

・「とても楽しい文化。飲みながら食べる文化は非常に素晴らしい。フィンランドで飲みに行く時、ほとんど食べない」(フィンランド/27歳/男性)

・「飲み会は疲れるけど、人の違う一面が見れて面白い」(イギリス/30歳/男性)

面倒に思うことも

・「仕事上の交際での飲み会は、たまに面倒くさいと思う時がある」(ベトナム/31歳/女性)

・「面倒、上司に気を使う会、飲めない人も会費は同じ額。マレーシアは"飲みニケーション"という文化はない」(マレーシア/36歳/女性)

・「とても面倒くさい習慣だと思う」(スペイン/32歳/女性)

・「日本では飲み会が多く、旦那さんが行かないといけないので私は困る。タイでは1次会で終わるが、日本では3次会まであることもある」(タイ/30歳/女性)

マナーが大変

・「カナダでは先輩にお酒を注ぐことや、(日本の大学の飲み会などで目にすることがある)コール・ゲームがあまりない。また、飲み放題という概念はカナダには存在しないと思う」(カナダ/31歳/男性)

・「日本の飲み会は会議の延長ということを忘れてはいけない。下の者が酔っ払ってペラペラしゃべったら大変失礼になる」(韓国/48歳/男性)

・「お酒をあまり飲まないので、アメリカでは飲み会みたいなのは行ったことがないが、最初の頃は日本の飲み会のマナーで困っていた。席の順番やお酒注ぎのマナーを覚えるのに時間がかかった(いまだに分からない時もある)」(アメリカ/26歳/男性)

日本人はお酒好き?

・「日本人はお酒を楽しそうに飲んでいる姿が好きだが、無理をして赤くなったり具合が悪くなったりするので心配になる。上の人にお酒を注ぐマナーはシリアにはない」(シリア/35歳/男性)

・「日本人=お酒が好きのイメージがある」(中国/28歳/女性)

・「飲み放題は日本特有。飲み過ぎてマナーが悪くなる人が多いのはドイツでも同じ」(ドイツ/39歳/男性)

・「日本人はお酒好きだと思う。依存症になっているのに気づかない人もいると思う。アルコール依存症はタブーになっていると思う。また、イタリアでも酔っぱらっているからといって、何もかも許されるわけではない」(イタリア/38歳/女性)

そのほか

・「トルコでは日本みたいに決まっている飲み会の形はない。トルコでは友達で集まって飲むぐらいで、会社仲間で飲み会はほとんどない。お酒を飲まない人もいるし、飲みたくない人もたくさんいるので、会社仲間と仕事以外でイベントを作ることは珍しいと思う」(トルコ/39歳/男性)

・「ウクライナには日本の飲み会にあたるような習慣はない。親しい仲間同士で飲みに行くことはあるが、会社仲間での飲み会はあんまりない」(ウクライナ/42歳/女性)

・「ブラジルにはあまりない文化。しかし、週末はクラブや個人宅のパーティーで飲んだりする」(ブラジル/30歳/女性)

・「ミャンマーにはない文化なので比べられない」(ミャンマー/32歳/女性)

・「酔っ払いはオランダでは恥ずかしいことだと思う」(オランダ/44歳/女性)

総評

多かった意見は「会社仲間で飲むのは日本だけ」というもの。実際、部や課で飲み会がイベント化している会社も少なくないだろう。そうした風習を「人の違う一面が見れて面白い」と思うか、「とても面倒くさい習慣」と思うか、外国人のみならず日本人にとっても人それぞれである。ただし、「日本の飲み会は会議の延長」という意見があるように、飲み会だからといって本当に無礼講になるわけではないので注意が必要だろう。

「飲み放題があるのは日本だけ」とコメントする人もいるが、外国人が日本で驚くことのひとつが飲み屋(居酒屋)の多さで、欧米ではレストラン(食事がメイン)とバー(飲みがメイン)は明確に分かれていることが多い。そのため、今日では日本の居酒屋チェーンが海外にも進出しており、外国人にも人気のスタイルとなっている。お酒が気軽に楽しめる環境があるのは日本ならではかもしれないが、外国人たちも心配しているように、お酒はほどほどに楽しむのが一番だろう。

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