オリックスは12月21日、米国の次世代大型蓄電池の研究開発・製造を手掛けるベンチャー・UniEnergy Technologies(UET)に対する出資を行ったと発表した。具体的な出資額が明らかにされていないが、UETは今回総額2500万ドルを調達しており、オリックスによる出資はその過半を占めるという。

UETは米国エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)で次世代バナジウム電解液を発明した研究者2名が2012年に設立したベンチャー企業。PNNLが保有する次世代バナジウム電解液の特許使用権を長期契約で供与されており、UETが開発した次世代バナジウム電池は、長時間放電が可能、大容量化が容易、寿命が長いという特徴がある。また、電解液のエネルギー密度を大幅に高めることでこれまでの技術では弱点とされていたバナジウム電池の省スペース化に成功している。今後、米国での拡販を図るとともに、将来的には中国や日本での事業展開も視野に入れている。

オリックスは、国内での再生可能エネルギーによる発電や電力小売事業などに加えて、海外においても、フィリピンのエネルギー事業会社への出資やアジア開発銀行およびロベコとの投資ファンドの設立など、エネルギー事業の拡大を図っており、今後もエネルギー市場において、投資を促進していくとしている。