日本ヒューレット・パッカード(HPE)は12月17日、中堅・中小規模企業向けの新たなサーバとして「HPE ProLiant DL20 Gen9」と「HPE ProLiant ML30 Gen9」の2機種の販売を開始した。価格はいずれも税別でHPE ProLiant DL20 Gen9が13万4,000円~、HPE ProLiant ML30 Gen9が15万6,000円~。

同社は中堅・中小規模企業の顧客における複数のワークロードに対応するためエントリーレベルのサーバ「HPE ProLiant 10」シリーズのサーバポートフォリオを拡張し、HPE ProLiant DL20 Gen 9ラック型サーバならびにHPE ProLiant ML30 Gen 9タワー型サーバの2機種を販売。

これらの新型サーバは、予算の限られた中堅・中小規模企業に対し、最適なバランスのメモリ、ストレージ、パフォーマンス、管理性を提供することでビジネスの成長を促進するよう設計されており、中堅・中小規模企業は品質や効率性、柔軟性で妥協することなく、容易かつ低コストでテクノロジーの変化に対応することができるとしている。

HPE ProLiant DL20 Gen9は奥行40cm未満とコンパクトな形状でありながら、電源の二重化やSASディスクの搭載など企業向けに求められる信頼性・可用性を兼ね備えた1ソケットラック型サーバ。サーバのライフサイクルにおける運用管理を自働化するHPE ProLiant サーバGen9の標準機能を搭載し、オンサイトでもリモートからでも同様の管理環境を提供することでサーバ管理工数の削減が図れるとしている。同製品は中小規模のビジネス/Webサーバとしての用途や設置スペースが限られる組み込みシステム、またセキュリティ/エッジサーバなどの専用目的のソリューションを求めるユーザー向けに設計されている。

「HPE ProLiant DL20 Gen9」

同製品の主なスペックはインテル Xeon プロセッサー E3-1200 v5、PentiumもしくはCore i3プロセッサーを1基搭載、4個のメモリスロットに最大64GB DDR4 UDIMMメモリサポート、1GbEのネットワークポートを2つ標準装備、高さ1U(4.4cm)、奥行38cm、最大重量8.7kgで小型・軽量な筐体で床荷重を低減。また、ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)環境基準A3に適応、最大40℃の環境を保証、SASやSSD、電源の二重化といった企業向けサーバニーズに対応、2.5インチのHDDを最大4本、3.5インチHHDを最大2本、搭載可能とし、最大容量16TB、サーバ運用管理の自働化を実現するiLOマネジメントエンジンを搭載、自動通報にも対応、標準保証は3年間のオンサイト修理となる。

さらに、HPE ProLiant ML30 Gen9はコンパクトな設計と広範なストレージの拡張性、高い静音性を特長とするスモールオフィス向けのスタンドアロンサーバだ。リモート管理や障害時のHPEサポートへの自動通報機能などHPE ProLiant Gen9標準の管理性を提供し、IT専任者がいない店舗やリモートオフィスであっても最適なサーバ管理を実現。スペースに制約のある環境でのファイルサーバやアプリケーションサーバといったITインフラのワークロードを実行するプラットフォーム。

「HPE ProLiant ML30 Gen9」

同製品の主なスペックはプロセッサーやメモリサポート、SAS、SSD、電源の二重化、iLOマネジメントエンジン、保証期間、ネットワークポート数はHPE ProLiant DL20 Gen9と同様。2.5インチのHDDを最大8本、3.5インチHDDを最大4本搭載可能、最大搭載容量32TB、グラフィックカードの搭載を可能とし、オペレーション時23dBというオフィス設置に最適な静音性を備える。

一方、同社は同日に中堅・中小規模企業のITソリューション導入を支援するため、これら2機種のサーバをベースとしたソフトウェア・ベンダーや販売パートナーによる新たなソリューションパッケージの開発を促進するプログラムを発表した。

具体的には「中堅中小規模企業向けソリューションパッケージ開発支援プログラム」として、新たなソリューションパッケージの作成と展開を目指すソフトウェア・ベンダーや販売パートナーに対して展開するもので検証用サーバの無償レンタル、検証用機材の特別価格での提供のほか、事例作成、ソリューション紹介Webの作成、セミナー実施などの共同プロモーション支援が含まれる。