西武鉄道は17日、秩父をモチーフとした観光電車(全席レストラン車両)の概要を発表した。愛称は「西武 旅するレストラン 52席の至福」、運行開始日は2016年4月17日に決定。専用ウェブサイトも公開され、2月1日から同サイトで予約受付を開始する。

「西武 旅するレストラン 52席の至福」1・2号車の外装イメージ

「西武 旅するレストラン 52席の至福」3・4号車の外装イメージ

この観光電車は西武沿線各地域の活性化と新しい旅行スタイルの提供を目的に、4000系1編成(4両編成)をリメーク。外装は自然豊かな秩父や武蔵野を流れる荒川の水をダイナミックに表現し、1号車は春(芝桜、長瀞の桜)、2号車は夏(秩父の山の緑)、3号車は秋(秩父連山の紅葉)、4号車は冬(あしがくぼの氷柱)をイメージしたデザインとなった。車内も渓谷などの自然をモチーフとし、2・4号車(オープンダイニング)の車内とデッキの仕切りに秩父銘仙、2号車の天井に柿渋和紙、4号車の天井に西川材を使用予定だという。

「西武 旅するレストラン 52席の至福」のロゴマーク

愛称に採用された「52席の至福」は、この観光電車の定員が52名であることに由来し、車内で過ごす時間の「くつろぎ」や「特別感・限定感」を表現するとともに、「オリジナリティーがあり、記憶に残りやすいネーミングであることも理由のひとつ」と西武鉄道。これを引き立てるキャッチフレーズとして「西武 旅するレストラン」が用いられる。

「52」の数字にちなみ、秩父の自然をトランプの柄に見立てたロゴマークも制作された。ロゴマークのスペードは"水"、ダイヤは"紅葉"、クローバーは"緑"と"至福"を重ねた四つ葉、ハートは「お客さまと私たちの気持ちが通う空間と時間に」との思いを表現したという。電車の外装とも調和した色づかいでデザインされている。

外装・内装デザインは建築家の隈研吾氏、ロゴデザインはアートディレクター / グラフィックデザイナーの古平正義氏、ネーミングはコピーライターの谷山雅計氏が担当。音楽プロデューサーの向谷実氏が車内チャイムを手がけ、「ここに集う皆さまに、視覚・味覚の楽しみにマッチした音楽を提供することでさらに想い出に残る時と、至福の時間を感じていただけるようなメロディーを作曲します」とコメントしている。

(画像左から)2号車・3号車・4号車の内装イメージ

観光電車「西武 旅するレストラン 52席の至福」は2016年4月17日から運行開始し、土休日を中心に臨時電車として年間100日程度運行される予定。運行区間は池袋~西武秩父間・西武新宿~西武秩父間・西武新宿~本川越間などとされている。

同電車に関する情報は専用ウェブサイトで順次更新され、2月1日から2016年4~6月乗車分の予約受付も開始。なお、食事内容は「新しい食と旅のスタイルを優雅に楽しんでいただける内容」となる予定で、詳細は専用ウェブサイトにて改めて発表するとのこと。