派遣労働者の約半数がマタハラの経験あり - 課題と対策を弁護士に聞いた

 

労働問題が専門の新村響子弁護士に聞いた

厚生労働省はこのほど、妊娠や出産を理由にした職場での嫌がらせ、「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)に関する実態調査の結果を発表した。調査の中では、派遣労働者のうち約半数がマタハラを受けたことがあると回答。マタハラの種類も、解雇や不利益な配置転換など多岐にわたった。この結果について、どう考えるべきか。そして、法律上の対策としてどのようなことができるのか。労働問題を専門としている旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。

派遣労働者も産休・育休は取れる

同調査は9月14日~10月4日にインターネット上で行われ、25~44歳の女性雇用労働者(雇用された経験がある人も含む)5,000人から回答を得たもの。調査の中では、回答者のうちそれぞれ約2割の人が「解雇」や「雇い止め」にあっていると回答。マタハラの行為者としては男性の上司に限らず、女性の直属上司(11.1%)や「女性の同僚・部下」(9.5%)も上位にあがった。

中でも注目すべきは、派遣労働者の48.7%がマタハラの経験があると回答したことだ。これについて新村弁護士は、「同じ仕事をしていても正社員に比べて低待遇で、"よそもの"として扱われがちな職場環境に根本的な原因がある」と指摘。その上で、「派遣社員であっても妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いは禁止されているし、育休・産休も取ることができる」とアドバイスした。

ただし育児休業を取得するためには、「(1)一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」「(2)子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること」「(3)子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと」の3つの条件を満たすことが必要だという。

このうち問題となりやすいのは(2)の条件とのこと。「3カ月など短期の契約の場合、契約書に『更新の可能性あり』(引き続き雇用されることが見込まれる)と書かれていても、(2)の条件を満たすかどうかが不確定」と指摘。契約期間によって、育休の取得可否が変わってきてしまうという。しかし、この3条件を満たすかはっきりしなくても、取得できたケースもある。「事業主と交渉することによって、休みを取得できたという人も多いので諦めないでほしい」として、労働局の雇用均等室や労働組合、弁護士への相談を呼びかけた。

働き続けることを諦めないで

さらにマタハラの内容を調査したデータでは、「『迷惑』『辞めたら? 』等、権利を主張しづらくする発言」(47.3%)という回答が最も多くなっている。「解雇」や「雇い止め」とは異なり明確な対処がしづらいケースのように思えるが、新村弁護士は「繰り返し言われた場合や職場いじめのような場合には、不法行為として損害賠償請求ができることもある」と指摘した。

「『辞めたら? 』などの提案型の発言は、『迷惑をかけて悪い』と思って受け入れがちだ」としながらも、「働きながら子どもを育てるのは権利。泣き寝入りして自ら辞職を申し出るというのはやめて、働き続けることを諦めないでほしい」と訴えた。

これらの現状を踏まえたうえで、マタハラを受けたと感じたときに私たちができることはなんなのだろうか。後編では、増加傾向にあるマタハラの事例や対策についてお伝えする。

※写真と本文は関係ありません

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