第一生命経済研究所は、全国の20~59歳の男女1,400人を対象に「子どもがいる正社員の休暇に対する意識調査」を実施した。調査時期は2015年11月。

導入されている特別休暇制度1位は「病気休暇」

勤務先に年次有給休暇とは別に導入されている特別休暇制度の有無を尋ねたところ、「自分の病気・けがの治療・療養のための休暇(病気休暇など)」(以下「病気休暇」)が「ある」と回答した人が39.3%と最も多かった。次に「リフレッシュ休暇」28.1%、「ボランティア休暇(社会貢献のための特別休暇)」13.9%などが続いている。

勤務先に特別休暇制度が「ある」と回答した人の割合(全体、性別、企業規模別)

勤務先の企業規模別にみると、いずれの特別休暇制度も企業規模が大きいほうが「ある」の回答割合が高い傾向がある。特に「リフレッシュ休暇」と「ボランティア休暇」は企業規模が大きくなるにつれて高い。「子どもの学校行事のための休暇」は29人以下の企業が最も高くなっている。

利用したことがある特別休暇は「記念日休暇(誕生日など)」

勤務先に「ある」と回答した特別休暇制度について、2014年度の1年間に利用したことがあるか尋ねた。最も利用が高い制度は「記念日休暇(誕生日など)」(以下「記念日休暇」)で、僅差で「学校行事休暇」が続いた。

性別にみると、女性のほうが利用割合が高い制度が多いが、特に「学校行事休暇」「教育訓練休暇(自己啓発、研修などのための特別休暇)」「ボランティア休暇」は、10ポイント前後の差で女性が男性を上回っている。

特別休暇制度を利用した人の割合(全体、性別、企業規模別)

勤務先においての制度の有無にかかわらず、利用したいと思う特別休暇制度を聞いたところ、最も多くの支持を集めたのは「病気休暇」(54.1%)だった。以下「リフレッシュ休暇」「学校行事休暇」「記念日休暇」「サバティカル休暇」などが続く。

性別にみると、「学校行事休暇」で女性が男性を12.5ポイント上回っている。女性の場合、自分のための「リフレッシュ休暇」と同じくらい多くの人が「学校行事休暇」を利用したいと回答した。

特別休暇制度の利用意向(全体、性別、企業規模別)

特別休暇制度の利用意向と導入割合の関係性を調べたところ、利用意向も導入割合も高い典型的な特別休暇制度には、「病気休暇」や「リフレッシュ休暇」があてはまった。一方、利用意向は高いが導入割合が低い制度は、「学校行事休暇」や「記念日休暇」などだった。

特別休暇制度を導入する効果について聞くと、「有給休暇を減らすことなしに休暇を取得できる」(46.0%)と「目的が明確なので職場の人の理解が得やすい」(42.4%)という回答が多かった。

これらの回答から、特別休暇制度は「取得可能日数が限られている年次有給休暇を使うことへの抵抗感」や「職場の理解がないと休みにくいという意識」を緩和する働きがあることがわかった。年次有給休暇を補足して、円滑に休暇を取得できる効果があると認識していることがわかる。

特別休暇制度を導入する効果