ヤマハは12月15日、無線LANアクセスポイントの新製品「WLX202」と専用アダプター「YPS-12HT」、PoEインジェクターの「YPS-PoE-AT」を2016年4月に発売開始すると発表した。希望小売価格はいずれも税別でWLX202が3万9800円、YPS-12HTが5000円、YPS-PoE-ATが1万5800円となる。

「WLX202」

WLX202はエンタープライズ用無線LANの構築に必要な機能・性能を既存製品の「WLX302」から厳選。50℃対応、11ac対応、タグVLAN同時接続数、802.1x、RADIUS認証、トラブルシューティングに役立つログ出力をはじめエンタープライズ利用に求めらる機能・性能に加え、無線LANコントローラー搭載、L2MSや端末管理などの機能と連携してLANの見える化を実現するWebアプリケーションであるLANマップなどの管理機能を備える。また、ケーブルカバーを兼ねた筐体や壁面・天井への設置可能、機能をイメージしたデザインモチーフといった設置環境に馴染んだデザインを採用している。

特長は無線LANコントローラーを搭載しているため複数の無線アクセスポイント導入時の手間を省けるほか、LANマップにより無線LANのトラブルを見える化し、ログ出力で機能分類、エラーメッセージの通し番号でナンバリングなどをすることで容易に内容の判別を可能にしている。さらに、アクセスポイントは人目につく所に設置されるため、目立たなくしたいという顧客ニーズに対応し、気象用ドップラー・レーダーをモチーフとした存在感を抑えた薄く、フラットな筐体となっており、配線周りの見栄えにも配慮している。

WLX202のWeb設定画面(5GHzの基本設定)

無線LANコントローラー

仕様は2.4GHz帯無線LAN規格はIEEE802.11b/g/n(最大伝送速度300Mbps)、5GHz帯無線LAN規格はIEEE802.11a/n/ac、アンテナは2.4GHz/5GHz兼用2本内蔵、MIMO方式はシングルユーザーMIMO(2×2、2ストリーム)、動作保証条件は周囲温度0℃~50℃、L2MSスレーブ機能、接続端末数は合計推奨60台(各推奨30台)、無線コントローラー配下のメンバーAP数は15台、マルチSSIDは16(各8)でタグVLANの関連付け可、内蔵RADIUSサーバは簡易型(最大200件、MACアドレス/接続SSID制限対応)、外部RADIUSサーバはIEEE802.1x EAP対応となっている。

L2MSスレーブ(RTX1210のLANマップからWLX202状態を表示)

ケーブルカバー

設置例としてはコンビニエンスストアをはじめとした小規模で多店舗展開しているユーザーにセンターで初期設定した上で各地の拠点に配布し、使用することを見込んでいる。また、50人程度の小規模オフィスを展開しているユーザーには無線LANコントローラーで複数台を同じポリシーで設定し、使用することを想定。販売計画は年間2万5000台を目指す。

「YPS-PoE-AT」

一方、タグ無線LANアクセスポイントは基本的にPoEでLANケーブルに電源を重畳することが基本となっているため従来のPoEスイッチに加え、PoEインジェクターのYPS-PoE-ATも同時に発売。同製品は1ポートのPoE給電装置でIEEE802.3at(最大30W給電)に準拠し、対応PoE受電機器はWLX302、WLX202、IEEE802.3a規格、またはIEEE802.3at規格となり、スイッチのSWXシリーズデザインを踏襲し、マグネットを標準装備、ファンレス、50℃対応するなど設置環境へ配慮しているほか、100V~240V対応、電源ケーブルの抜け防止といった電源環境にも配慮している。