東北大、"ポストグラフェン"となるチタン・セレン原子層半導体の作製に成功

 

東北大学(東北大)は12月11日、グラフェンを超える電子デバイスへの応用が期待されているチタン・セレン(TiSe2)原子層超薄膜の作製に成功したと発表した。

同成果は、同大学 原子分子材料科学高等研究機構 菅原克明 助教、一杉太郎 教授、高橋隆 教授、理学研究科 佐藤宇史 准教授らの研究グループによるもので、12月1日付けの米科学誌「ACS Nano」オンライン速報版に掲載された。

TiSe2は、グラフェンと類似した六角形の結晶構造を持っている層状物質。何層にも積層した3次元的なバルクのTiSe2は、電子と正孔がそれぞれ独立して運動する半金属であると理論的に理解されているが、実験的には-70℃付近で半導体から金属へ変化するという特異な性質を示すことがわかっている。一方で、原子層を1枚だけ抜き出した厚さ0.65nmのTiSe2原子層超薄膜がどのような特性を示すかは未解明なままとなっていた。

今回、同研究グループは、分子線エピタキシー法という手法を用いて、グラフェン薄膜上に原子層レベルで精密に制御された高品質な単原子層TiSe2超薄膜を作成することに成功。その電子状態を角度分解光電子分光という手法を用いて精密に調べた。

この結果、TiSe2原子層超薄膜は、室温では半金属ではなくバンドギャップをもつ半導体で、薄膜中では電子と正孔がそれぞれ独立に運動している一方、低温では、電子と正孔が相互作用して励起子と呼ばれる強固な対を作り、結晶中で新しい電荷の秩序を形成して特異な金属状態を出現させていることを見出した。

今後、この単原子層TiSe2に対して、電子および正孔の数を調節・制御する方法を確立できれば、半導体デバイス構築へ向けた材料設計が進むことが期待される。

単原子層TiSe2の結晶構造



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