JFEスチールは12月9日、プレス加工が難しい難加工部品に適用可能な新しい成形技術を開発したと発表した。

新技術は、通常二段階でのプレス加工のうち、これまで人の経験や勘に頼っていた一工程目の形状を論理的に算出された最適形状に設計することで、難形状部の加工を可能にする。また、軟鋼から超ハイテン材まで強度にかかわらず適用できるため、部品の性能やデザイン性の向上、軽量化を測ることができる。

開発技術

同社は、同技術を用いてエアスポイラー一体型の自動車用バックドアを試作。エアスポイラーは張り出しが大きい形状のため成形が難しく、現状では樹脂製の別部品が取り付けられているが、今回開発した新しい成形技術を適用し、鋼板からエアスポイラーを一体で成形することに成功した。

従来のバックドア(左)と鋼製スポイラー一体型バックドアの模式図

スポイラー一体型バックドアの試作品

JFEスチールは今後、同技術の実生産への適用に向けて顧客との共同開発を積極的に行っていくとしている。