市川海老蔵 (c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

青山剛昌原作によるTVアニメ「名探偵コナン」の放送20周年を記念したスペシャル番組「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」に、市川海老蔵が出演する。先日都内スタジオでは公開アフレコが行われた。

海老蔵は番組に“ミステリー好きの歌舞伎俳優・市川海老蔵”という本人役で登場。ストーリーはコナンたちが、暴走する自動車に遭遇するところから始まる。その車で運ばれていたのは海老蔵が出演する歌舞伎十八番「七つ面」にて使用する二表(におもて)の面で、やがて「七つ面」のスタッフが次々と事件に巻き込まれていくという展開が繰り広げられる。

アフレコに初挑戦した海老蔵は「前日は不安しかなかったですね」とプレッシャーを感じていたことを明かす。加えて「でも、すごく勉強になりました。声の仕事はニュアンスがすごく大事で、結構音楽性があるんだと思いました。例えば『おはようございます』のひと言でも、平坦に読むのではなく、『おっはようございまーす!』みたいに、与えられた尺の中でどうニュアンスを付けていくのか。やっぱり誇張なんでしょうね。声優さんたちの日頃の苦しみというか、戦いという部分がなんとなく感じられて、我々とは違う世界があるんだと強く感じました」とアフレコの難しさや感想を語った。

本人役を演じたことについては「本人役ですから全く演じてないですね」とコメントするも、「ただ私自身はミステリーには全く興味がないので、そこはそういう気持ちを作りましたけど。そうしないと眠りの小五郎のファンにもなれないですからね(笑)」と設定を意識したことを話した。また今作の題材が歌舞伎十八番の「七つ面」と聞いたときに「これは引き受けざるを得ないなという気持ちになった」という海老蔵は、「『名探偵コナン』という作品を通して、小さいお子さんや多くの方に『七つ面』を知ってもらえるのは素直にうれしいですね」と相乗効果に期待を寄せる。

さらに伝統芸能である歌舞伎と、長きに渡り多くのファンに愛されている「名探偵コナン」という作品の共通点について「『コナン』の魅力は紋切り型なところにあると言えるかもしれません。歌舞伎にもそういうのがあるんですけど、1話が楽しくてもそのあとに続いていく力は、決まりごとがしっかりあるのが大事なんです。長く残っていく作品は、現代のマンガやアニメにしても、こういう紋切り型というのが大事なんだと痛感しました」と意見を述べた。

最後に海老蔵は「今回の事件は歌舞伎ミステリーということで、誰が犯人かわからないですし、もしかしたら僕が犯人かもしれない……」と意味深なコメント。続けて「新年早々みんなで謎解きを楽しんでもらいたいですし、その中でプラスα、歌舞伎のこともちょっと知ってもらって、そして興味を持って頂けるとうれしいですね!」とアピールした。

「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」は、2016年1月9日から2週連続で放送される。なお同じく1月には新橋演舞場にて上演される「初春花形歌舞伎」の内の1つの演目として、「七つ面」が決定している。

TVシリーズ放送20周年記念スペシャル「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」

前編:2016年1月9日(土)17:30~18:30
後編:2016年1月16日(土)17:30~18:30

(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996