NXPセミコンダクターズジャパン代表取締役社長の原島弘明氏

NXP Semiconductorsの日本法人であるNXPセミコンダクターズジャパンは12月9日、メディア向けに米国時間12月7日に正式にNXPとFreescale Semiconductorの合併が完了したことを受け、新生NXPとしての概要などの紹介を行った。

両社の統合により、新生NXPは1万1000名以上のエンジニアを抱える年間売上高100億ドル規模の世界第4位の半導体企業となる(メモリ分野の半導体企業を除く)。

NXPセミコンダクターズジャパン代表取締役社長の原島弘明氏は、「統合前の2社ともに、それぞれ別々の分野で強みを有しており、それが新生NXPの強みとして、ソリューションの幅の拡大につながる」とし、中でも自動車分野に関しては、Freescaleが強かった車載レーダーやセーフティ関連、NXPが強かったキーレスエントリや車載インフォテイメント分野など、オーバーラップする分野が少なく、同分野に対する半導体売上高は世界1位となることを強調した。

新生NXPの概要。売上高は100億ドル超となり、非メモリ系を除けば世界第4位(1位から順にIntel、Samsung Electronics、Texas Instruments)となる

また、今後については、「車載」「セキュリティ」「コネクテッド」の3つのカテゴリにフォーカスしていくことを強調。特に自動車関連については、ポートフォリオが拡充したことを受けて、旧2社それぞれのカスタマにこれまでなかった製品も合わせて提案を行うクロスセリングが可能になるとのことで、「日本でも自動車分野の比率は高いことから、代理店含めて、そうした提案を短期的には行い、その間に、シナジーを発揮したソリューションの開発を進めていく」(同)とした。

車載半導体分野全体を見た場合、幅広いポートフォリオを有していることもあり世界1位となるという

さらにセキュリティについてはIoTの本格的な活用を考えた場合、必須となる技術であることから、強力に推進していくとし、スマートホームやスマートインダストリ、ウェアラブル、スマートヘルスケアなど、さまざまな分野での存在感を高めていきたいとした。加えてコネクテッド関連に関してもIoTの進展に伴うエッジノードからゲートウェイ、クラウドまでブロードに対応できる帯域幅の広いネットワーク技術が重要になってくるとし、Freescaleがこれまで提供してきたハイエンドプロセッサがそれらをカバーできるとした。

新生NXPはエッジノードからゲートウェイ、クラウドまで幅広い分野に対応するデバイスを提供することで、セキュアなIoTネットワークの実現に貢献できるとする

なお同社では、「すべてをNXP1社でソリューションとして提供することは困難」としており、これまでの2社が培ってきたパートナーシップを今後も継続して発展させていくことを前提に、「そうしたパートナーシップの強化により、最終的にはカスタマの開発コストの低減や開発期間の短縮などに貢献できると思っている」(同)とし、自動車やモバイル機器などのエッジノードからインフラ、クラウドまで幅広く、かつ強いソリューションを提供していくことで、より便利で安全な社会の実現に向けた取り組みを進めていきたいとした。