科学技術振興機構(JST)は12月8日、太陽光発電を大量導入する際に、信頼度付区間予測を用いて電力系統全体の需給をバランスよく維持できる基礎制御技術を開発したと発表した。

同成果は、JST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)における東京工業大学(東工大) 石崎孝幸 助教と井村順一 教授らの研究グループによるもので、12月7日付けの英科学誌「AUTOMATICA」のオンライン速報版で公開された。

太陽光発電は、天候の変化などの影響で発電量が大きく変動するため、電力系統全体の需給バランスの維持が難しい。同研究では、ピーク電力の30%程度の太陽光発電の導入を想定し、太陽光発電量の信頼度付区間予測という最新の予測手法を活用した電力系統需給制御の基礎技術を開発。これにより、太陽光発電量の予測値を区間値として捉えることで、どの程度の調整用電源と蓄電池を事前に準備すればよいかを把握することが可能となった。

今後は火力発電機の起動停止コストや過剰な太陽光発電量の抑制などを含めた、より複雑な状況下での電力系統への適用を検討し、太陽光発電が大量に導入される将来に向けて、より精度の高い電力系統需給制御技術の開発を目指すという。

太陽光発電量の信頼度付区間予測に基づく火力発電機と蓄電池の運用計画問題