EMCジャパンは12月8日、都内で記者会見を開き、プライマリストレージやデータ保護ストレージとプライベートクラウド、パブリッククラウドとのシームレスな接続を可能にする新製品・ソリューション群の「EMC CloudBoost 2.0(クラウドブースト2.0)」「EMC DD OS 5.7」「EMC NetWorker 9(ネットワーカー9)」を発表した。

CloudBoost 2.0はプライベートクラウドやパブリッククラウドへの自動データを転送し、バックアップ長期保管を行うソリューションである「CloudBoost」の最新バージョンで、バックアップ/アーカイブソフトウェアの「EMC Data Protection Suite(データプロテクションスイート)」やバックアップとアーカイブのための保護ストレージである「Data Domain(データドメイン)」がクラウドストレージへとシームレスに拡張が可能になった。価格は税別で仮想アプライアンスで75万円、物理アプライアンスで375万円~。

また、DD OS 5.7はData Domainオペレーティングシステムの最新バージョンとなり、容量管理の強化、セキュアなマルチテナント環境、シェルフの高密度構成などにより、TCOの削減が可能になった。価格は税別で112万5000円~。

さらに、NetWorker 9は統合型バックアップ/リカバリの「NetWorker」の最新バージョンとなり、データの保存先に関係なくデータ保護のプロセスを自動化・簡素化する新しいユニバーサル ポリシーエンジンを追加した。価格は税別で118万7500円~。CloudBoost 2.0とDD OS 5.7はいずれも12月8日に提供開始し、NetWorker 9は同月下旬以降に提供開始を予定している。

EMCジャパン マーケティング本部 部長の渡辺浩二氏

最初にEMCジャパン マーケティング本部 部長の渡辺浩二氏が説明を行い「ITトランスフォーメーションで重要な要素はクラウドのテクノロジーの使い方だ。1つ目は簡素化・自動化されていることで2つ目はデータ保護となり、例えばパブリッククラウドはデータのの安全性は担保しづらく、ユーザー側の責任で行わなければならない。3つ目はデータの利用方法で、例としてプライベートクラウドとパブリッククラウド両方のテクノロジーをどのようににデータ連携させていくかということだ」と述べた。

続いて、EMCジャパン システムズエンジニアリング本部プロダクトソリューション統括部DPSスペシャリスト部シニアマネージャーの神近孝之氏が各製品の説明を行った。

EMCジャパン システムズエンジニアリング本部プロダクトソリューション統括部DPSスペシャリスト部シニアマネージャーの神近孝之氏

CloudBoost 2.0について「従来のバージョンと比べ、重複排除のアルゴリズム効率化などを図ったため全体的なデータ転送のパフォーマンスが2倍になっており、インスタンスあたりのデータ容量が最大6PBまで拡張が可能になり、容量が15倍に拡張している。また、セキュリティはファイルのチャンクごとに暗号化するなど従来よりセキュアな保存を可能にしたことに加え、柔軟性ではパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドが選択でき、提供モデルも物理的アプライアンス、仮想的アプライアンスの選択を可能としている」と同氏は語った。

「EMC CloudBoost 2.0」の概要

また、同氏はDD OS 5.7について「プライベートクラウドとハイブリッドクラウド向けにDPaaS(Data Protection as a Service:データ保護サービス)機能を拡張し、容量管理・監視機能、セキュア・マルチテナントを強化したほか、MTreeスケーリングなどにより拡張性が向上した。また、新しい拡張シェルフにより高密度構成を実現するなどデータセンター内のコスト削減・効率化を図るためハードウェアをアップデートした」と強調した。

「EMC DD OS 5.7」の概要

さらに、NetWorker 9は「ポリシーベースによるバックアップの簡素化はバックアップタスクを鎖状につなげ、サービスとして機能するポリシーを設定可能としたほか、バックアップやリストアからクラウドでの長期保存までポリシーベースでの自動化を実現した。また、サービスレベルに応じた管理と自動化を図り、あらゆるNetWorkerワークフローとデータタイプサポートしている。そのほか、NetworkerサーバとVMwareベースのアプライアンスとしてパッケージ化されたデプロイしやすい形式で提供することに加え、セキュリティおよびパフォーマンスの成功事例に基づく事前構成をパッケージ化するなどSoft-ware-Defined Data Center(SDDC)環境で使用できる」と神近氏は説明した。

「EMC NetWorker 9」の概要