神戸大学(神戸大)は12月3日、国内大手企業の若手技術者の理数系の基礎学力が低下していることを調査で確認したと発表した。

同成果は、同大学 社会科学系教育研究府 西村和雄 特命教授らの研究グループによるもので、12月2日に京都大学で行われた「科学教育in 京都2015」にて発表された。

2014年度に行われた同調査では、東証1部上場の製造業9社の協力のもと、20代の若手技術者1226人が数学、物理、化学、電気の基礎問題11問を解答した。

同大学によると「問題の多くは高校で習う初歩的な内容。中学入試でも出題され、優秀な小学生なら正答する」ものだったというが、100点満点中平均点は56.66点にとどまった。高校時代に数学III、物理を履修した人の平均得点が高く、入試制度別では一般入試、AO入試、推薦入試の順で平均得点が高かったという。

西村教授は大学入試の多様化や入学後のカリキュラムに問題があると指摘し、「数学IIIや物理を学ばずに大学に入ってくる学生が増えている。機械工学の4大力学が必修でなくなるなど、大学のカリキュラムにも問題がある」と問題提起している。