東村アキコ「かくかくしかじか」1巻

第19回文化庁メディア芸術祭の受賞作品が、本日11月27日に発表された。マンガ部門の大賞に選ばれたのは、東村アキコ「かくかくしかじか」。

「かくかくしかじか」は美大への進学を希望する女子高生の林明子が、絵画教室のスパルタな先生・日高健三らと出会い、進学や就職を経てマンガ家として歩みだす道程が描かれた東村の自伝的作品。Cocohana(集英社)にて2012年1月号から2015年3月号まで連載されていた。今年3月に発表された「マンガ大賞2015」でも大賞を受賞している。

このほかマンガ部門の優秀賞は志村貴子「淡島百景」、田亀源五郎「弟の夫」、業田良家「機械仕掛けの愛」、HO Tingfung「Non-working City」の4作品が受賞した。また新人賞にはネルノダイスキ「エソラゴト」、おくやまゆか「たましい いっぱい」、安藤ゆき「町田くんの世界」がそれぞれ選ばれた。

文化庁メディア芸術祭は、メディア芸術の振興を目的とした祭典。マンガ部門のほか、アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門の4部門で優れた芸術作品を表彰するとともに、国内外の作品を広く紹介する。なお昨年発表された第18回のマンガ部門大賞には、津原泰水原作による近藤ようこ「五色の舟」が選ばれた。

東村アキコ受賞コメント

「絵を描くこととは何か」、体当たりで教えてくれた私の恩師というか師匠との思い出を、ただ、思い出すまま何も考えずに描いたこのマンガでこのような大きな賞をいただけて本当に驚いています。
ただ、「描くしか」ない。この賞に恥じないようこれからも私にしか描けないマンガを描き続けていきたいと思います。