日本人にとっては何気ない風景が、中国人の心の琴線に触れているようだ

昨今話題の中国人の訪日旅行。"爆買い"などとその凄まじい買い物っぷりが強調されることが多いが、彼らが観光に興味がないわけではもちろんない。中国人はいったい日本のどんな観光地に興味があるのか? その答えのひとつが、中国版ツイッター「ウェイボー」で話題の日本の"アノ"風景だ。

車窓から見えるあの光景に釘付け

とある日本在住中国人が、ウェイボーに日本の農村風景の写真をアップした。それに対するコメントが急速なスピードでのびている。特に有名な観光地でもないその農村風景には、山とたんぼ、一般住宅があるだけ。写真に添えられたコメントには、「農村こそが本当の日本で、農村の人こそ本当の日本人だ」とある。実際に日本に行った人も、この写真へのコメントを寄せているようだ。

「そうよね、私も日本に初めて行った時、日本の農村が大好きになった。バスの車窓から見ただけなんだけど、すごくいい感じだった」
「1回行ったことがある。本当に美しくて静かで、時間が止まってしまったかのようだった」
「奈良と京都の亀岡、嵯峨野とかの田舎に行ってきたんだけどすごく良かった」
「日本での移動時間が長かった時、風景が美しくてずっと車窓を見ていた。こんな美しいところで死を迎えられたらいいな」
「京都の嵐山に行ったよ。すごく美しくて、灰色の東京より見るものが多かった」

宮崎アニメ等からまだ見ぬ美しさを想像

実際に日本に足を運んでいなくても、日本の風景を知っている中国人はたくさんいる。彼らは日本のアニメや映画、ドラマの中の風景に魅了されているようだ。

「宮崎アニメの農村は言葉にできないほど美しいよね」
「映画『リトル・フォレスト』を見た後は、日本の山の中に住みたくなる」
「私の好きな日本アニメはみんな農村が舞台」
「『菊次郎の夏』とかすごく良かった」
「『NARUTO』の田舎の風景もすごくいい」
「『夏目友人帳』や『秒速5センチメートル』を思い出した。なんで彼らがこんなに美しい作品が作れたのか分かった」
「宮崎アニメを見て、日本の田舎に住みたくてしかたなくなった。私の子どもが野原を駆けたり、トトロに会ったり、ネコバスに乗ったりするの」

中国人の訪日観光旅行といえば、以前は短期間で東京や大阪など多数の地域を巡る団体の弾丸旅行が多かったが、最近ではリピート客による個人旅行も増え、よりディープな日本を楽しむ傾向にある。そんな彼らがこれから目指すだろう場所は「日本の普通の農村」なのかもしれない。

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