Q. 「ホワイト企業」とはどんな企業だと思いますか?

ブラック企業に対して、ホワイト企業。清廉潔白で社員に満足されるホワイトな企業とは、一体どんな企業なのか。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、「ホワイト企業」とはどんなイメージか教えてもらった。

Q.「ホワイト企業」とはどんな企業だと思いますか?

■残業なし、休暇あり
・「残業のない会社: ブラックイコール残業のイメージがあるから」(23歳女性/マスコミ・広告/営業職)
・「サービス残業がない企業です: 社員を大切にしているので、残業がある場合は手当てがきちんと出ると思います」(32歳女性/ソフトウェア/事務系専門職)
・「定時で帰れる: 残業前提で仕事を回すのは、健全な体質だとは思わないから」(27歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「給料がわりにあってる: 大切なので」(24歳女性/生保・損保/営業職)
・「しっかり休みがある: ブラックは休みがないから」(23歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「完全週休二日制の企業: 休日出勤がなくて、土日に必ず休める企業はホワイト企業だと思う」(28歳男性/情報・IT/技術職)
・「有給休暇がしっかり取れる: 有給休暇があるのに使えないのは結構ブラックだと思うから」(26歳女性/医療・福祉/専門職)

■労働基準法の遵守
・「法の遵守: これが出来ていないから問題なのだろう?」(45歳男性/商社・卸/販売職・サービス系)
・「労働基準を含め、何も後ろめたいことがない会社: 労働基準に対し実態がグレイの会社が多いと思うので」(50歳以上男性/自動車関連/事務系専門職)
・「就業規則がある: 零細企業だと存在しないから」(29歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
・「就業規則等がちゃんと守られている: 形骸化してるとこが多いから」(38歳男性/情報・IT/技術職)
・「求人での条件と実情がきちんと一致していること: 実際は残業が前提、ボーナスが求人通り出ないなど詐欺ともいえる実態であることも少なくないから」(26歳男性/その他/その他)

■透明性
・「透明性を確保している: 第三者のチェックが入りやすいから」(49歳男性/情報・IT/技術職)
・「社内の透明性がハッキリしている企業: 見えないから不正を働くのが人間だと思うので」(50歳以上男性/機械・精密機器/技術職)
・「全てをオープンにしている: 隠してることがない」(28歳男性/情報・IT/技術職)
・「粗利等の数字がガラス張りで平でもわかる: 数字をごまかさないような情報公開していると、ほかの部分でもごまかしがない、正直」(47歳男性/電力・ガス・石油/技術職)

■福利厚生が充実
・「福利厚生がしっかりしている: 社員を大切にしていると感じるから」(29歳男性/小売店/販売職・サービス系)
・「福利厚生が充実している: 健やかに生きていけるから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)
・「福利厚生がよい: 安心できる保険がある」(31歳女性/アパレル・繊維/事務系専門職)
・「福利厚生がきちんととれる: 余力があると言う感じ」(33歳女性/アパレル・繊維/事務系専門職)

■風通しがいい
・「色んな意見が言いやすい環境がある会社: 風通しがいいと働くモチベーションもあがるから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「社内の風通しのいい会社: 秘密がなさそう」(48歳男性/通信/技術職)
・「自分の意見を言うことができる: 社員の声を聴いてくれる会社だと思うから」(37歳女性/医療・福祉/専門職)

■社員にやさしい
・「業績を上げながらも、社員の心身や幸せについて考えている: 会社の利益のみ追求しているのが、ブラック企業だと思うから」(32歳女性/学校・教育関連/技術職)
・「人らしい扱いをしてくれるところ: 会社の財産は人だから」(24歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「人間を大切にする企業です: ブラック企業では人間を大切にせず使い捨てをするので、それは良くないと考えるからです」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)

■プライベートも大事に
・「プライベートを大事にできる時間で帰れて、ボーナスがある会社: プライベートも大事にしたいので」(28歳女性/医療・福祉/事務系専門職)
・「ワークライフバランスがしっかりとれている: 仕事がすべてではないが、生活していくために仕事は重要なので」(29歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「結婚、子育て等に柔軟に対応してくれる会社が女性にとってはホワイト企業だと思う……生活を犠牲にしない働き方が出来る企業: 少子化も進んでいるし、これからはこういう企業が必要になってくると思う」(24歳女性/食品・飲料/専門職)

■満足感
・「長く働きたい企業: 従業員の待遇がいい」(50歳以上男性/その他/その他)
・「離職率が低い会社: 働きやすい環境なら簡単に辞めないし、実際離職率が高い会社はブラックだから」(33歳女性/小売店/秘書・アシスタント職)
・「ハラスメントが一切ない: 近年、色んなハラスメントが問題になっているから」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「社員にやる気がみなぎっている企業: 自分も何か尽くそうと言う気が溢れるものだから」(37歳男性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
・「みんなが生き生きと働いていて、不満がほとんどない: みんなのやる気を出させて、楽しく仕事をさせることができるのが、いい会社だと思うので」(30歳女性/食品・飲料/技術職)

■総評
「ホワイト企業」のイメージ、多くの人がまず「残業なし」「休日あり」「適正な賃金」など、労働環境のクリーンさを頭に思い描いたようだ。ブラック企業といえば、過酷で不条理な労働を強いられ、サービス残業当たり前、低賃金という実態をよく聞くだけに、このようなイメージになるのはうなずける。たとえ残業したとしても残業代がきっちり支払われること、休日も手当があること、有給がとりやすいことなど、正当な就労条件ならホワイト、という回答も目立っていた。

「労働基準法」を目安にしている回答も多かった。回答には「実際には守られていないグレイな企業も多い」という暴露もあり、労働者の現実は厳しいようだ。就業規則がない、あっても形骸化しているという声もあった。経営体質については、不正が行われにくい、第三者のチェックが入りやすい、数字をごまかさないなど、「透明性」を挙げる回答もあった。

他方で「法令遵守は最低限でそれ以上の待遇」がある企業こそホワイト、という意見も。「福利厚生」の充実など、プラスアルファを求める声も確かに目立っていたが、これは理想形だろう。社員の「人間らしさ」「幸せ」「健康」を確保してくれ、プライベートとのバランスが取れる労働環境、健全な人間関係などを望む意見もあった。社員を大切にしてくれ、社員も不満なく生き生きと働くことができる……社員を人と思わず、使い捨てのように扱うブラック企業の対極だ。

仕事は人生の多くを占めるもので、生きがいとも苦痛ともなりうる。ホワイトな企業で働く幸せな社員たち、彼らがまた企業のためにはつらつと頑張る……そんな正の連鎖をこれからの日本企業にぜひ期待したいものだ。

調査時期: 2015年10月26日~10月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性150名 女性150名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート