東武鉄道は24日、東上線の全線開通90周年を記念した「フライング東上号」リバイバルカラー車両2編成(50090型・8000系)の車両撮影会を実施した。かつて東上線で活躍した行楽列車のカラーリングが再現され、11月28日から運転開始される。

東武鉄道50090型・8000系が1編成ずつ「フライング東上号」リバイバルカラー車両に

「フライング東上号」は1949(昭和24)年4月から1967(昭和42)年12月まで、おもに春・秋の行楽シーズンの休日に運転された臨時の行楽列車。ネーミングは英国の特急「フライング・スコッツマン号」にあやかったといわれている。使用車両はたびたび変更されたが、代表的な車両として53系(1952年3月頃から使用)が挙げられ、濃い青色の車体に黄色の帯というカラーリングで、約10年間にわたり活躍したという。1963年11月頃から8000系(ロイヤルベージュ / インターナショナルオレンジ)も使用された。

今回、リバイバルカラー車両を導入するにあたり、当時の映像などが少なく苦労もあったとのことだが、公開された車両は50090型(50092編成)・8000系(8198編成)ともに「フライング東上号」の象徴的なカラーリングが忠実に再現されていた。旧社章もあしらい、東武鉄道ならではのデザインに仕上がった。

8000系8198編成(4両編成)。オリジナルのヘッドマークも掲出された

50090型50092編成(10両編成)。車内に東上線の懐かしい車両・駅舎の写真も

50090型はフルラッピングで当時のカラーリングを再現。フルラッピング車両は東武鉄道初だという。車体前面には、当時のヘッドマークをモチーフとした東上線全線開通90周年記念ヘッドマークがデザインされた。車内には「おかげさまで東武東上線全線開通90周年」マルチ広告が掲出され、東上線の懐かしい車両・駅舎の写真が並ぶ。8000系は当時のカラーリングを塗装で再現。オリジナルのヘッドマークも制作され、「フライング東上号」で使用されたものと同様、上部の羽の形状も再現された。

「当時、実際に乗車された方には懐かしさを、初めてご覧になる方には新鮮さを感じていただき、よりお客さまに愛される東上線をめざしてまいります」と東武鉄道。運転初日となる11月28日、これら2編成に乗車可能な「東武東上線全線開通90周年記念ツアー」(募集終了)も開催される予定だ。

50090型のリバイバルカラー車両は11月28日から約1年間、座席定員制列車「TJライナー」をはじめとする東上線池袋~小川町間で運用される予定。8000系のリバイバルカラー車両は東上線小川町~寄居間・越生線坂戸~越生間にて、11月28日から当面運転される。なお、車両運行計画などの影響で、日によって運転区間・時刻が変更されるとのこと。