ボージョレ・ヌーヴォー、2015年はどのような仕上がりに?

今年もこの季節が巡ってきた。ボージョレ・ヌーヴォーの解禁だ。毎年、収穫開始時期あたりからその年のヴィンテージを占う情報がチラホラと聞こえてくる。今年はというと、収穫量は前年より減ったものの、記録的な日照量に恵まれ近年まれに見るグレートヴィンテージになるという。

ボージョレ・ヌーヴォーの帝王、ジョルジュ・デュブッフ氏は現に「50年をこえる私のワイン造りの中でも記憶に残る最高のヴィンテージ」とコメントしている。

これは「50年に一度」と謳われた2009年をも上回ったということか? さてその真偽を確かめるべく、早速記者会見場に足を運んだ。今年は解禁日を待たず、前日の会見となった。

まずは、在日フランス大使館経済部農務副参事官ニコラ・ベルトレ氏による先だって起こってしまったパリのテロ事件について哀悼の意。「今、だからこそ生きる喜びを分かち合おう」と力強く語った。

ボージョレワイン委員会会長ジル・パリ氏(左)と在日フランス大使館経済部農務副参事官ニコラ・ベルトレ氏(右)

次は、来日したボージョレワイン委員会会長ジル・パリ氏による2015年のヌーヴォーについて。5~6月にかけては雨が少なく、夏の日照量はとてつもなく多くて40℃を超える日もあったため、ブドウはとてもいい熟成をした。8月24日から始まった収穫の時期も天気に恵まれ、2009年や古くはワイン史上記憶に残るヴィンテージだった1947年に匹敵するすばらしい品質となったようだ。

ただ、この暑さの影響で収穫量が前年よりも30~40%減となり、また、若干ではあるが日本への輸出量も減っている。これについて氏は「(ヌーヴォーは)レースではない。まずクオリティーがあって、そして長いお付き合いができることが大切」。フランスにとって日本は、ヌーヴォーを日本へ向けて輸出を始めた1985年から今年に至るまで世界一の輸出量を誇る顧客である。「今年の日本への輸出量はとてもバランスが取れていると思う」と冷静に分析した。

続く後編では、ヌーヴォー4種をソムリエが試飲。実際の味わいを詳細にご紹介する。