40~60代は「若者世代と交流・協力・支援したい」というクロス・ジェネレーション欲求が高く、「大人世代と若者世代がお互いの良さを認め合いつつ、交流・協力し、新しい文化や潮流が生まれることが望ましい」「大人世代が若者世代を応援して、若者世代から新しい文化や潮流が生まれることが望ましい」と考える人が多い実態が、博報堂 新しい大人文化研究所が11月18日に発表した調査レポートで分かった。

若者との相互交流に対する賛否

同調査は、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に在住および首都圏/熊本市と岡山市以外の政令指定都市/岩手県・宮城県・福島県を除く中小都市に在住する40代から60代の男女を対象に2015年3月に実施したもの。回答者数は2,700人。

「大人世代と若者世代がお互いの良さを認め合いながら、交流・協力し、新しい文化や潮流をつくる時代が望ましい」という考え方に好意的な回答は全体の77.0%に上り、40代では69.0%、50代では77.6%、60代では84.6%と、年代が上がるほど高くなる傾向にある。上の世代ほど交流・協力を求めており、また男女別では女性にその傾向が強く表れた。

若者への支援に対する賛否

「大人世代が若者世代を応援することで、若者世代からも新しい文化や潮流が生まれることが望ましい」との考え方に好意的な回答は全体の75.3%であり、40代では67.8%、50代では69.6%、60代では83.9%と、年代が上がるにつれて高くなり、男女別では各世代とも女性の方が高い。40~60代は単なる若者との交流・協力を望むのに留まらず、若者のサポートを目指しているようだと同社は分析する。

コミュニケーションの時間や機会を増やしたい相手

コミュニケーションの時間や機会を増やしたい相手を訪ねると、「年齢問わず価値観を共有できる友人・知人」が75.0%と、子供・孫・夫妻などのパートナーに次いで4位となっており、同世代のプライベートな友人の71.0%を上回っている。

今回の調査結果から同社は、現在の50代・60代は、助けられる世代ではなく助ける世代になろうとしていると見る。世代交代で第一線から退くのではなく、若者世代とのクロス・ジェネレーションを進めることで、社会が活性化する可能性も見えてくるという。現政権が「一億総活躍」をスローガンとして掲げる中で、40~60代の活躍によって若者世代が活躍できるのではないかと同社は推測する。