紙の手帳の利用者が手帳以外に使っているスケジュール管理ツールは紙の手帳の使い分けが最も多く、スマートフォンなどのデジタル・ツールとの併用者は減少傾向にある。高橋書店が11月16日に発表した「第9回『手帳に関する意識と実態調査』」による。

使用中の手帳のタイプ

同調査は、首都圏および近畿圏に在住する20代から60代で紙の手帳を使っている男女(有効回答数は900人)を対象に、同社が2015年7月31日から8月3日にかけて実施したもの。

現在使用している手帳のタイプを複数回答で尋ねたところ、全体では月間のカレンダー式が43.0%と最多であり、以下、レフト式(見開きに1週間のスケジュール表と横罫のページがあるタイプ)が30.2%で続いた。

男女別では、女性の最多は57.8%でカレンダー式だったが、男性ではレフト式が30.2%とカレンダー式(28.2%)を上回った。年代別では、20代女性のカレンダー式利用率はレフト式の2倍強あったが、60代ではレフト式がカレンダー式を上回っている。

手帳以外に使用しているスケジュール管理ツール

紙の手帳以外に使用しているスケジュール管理ツールを尋ねると、「アナログ手帳の使い分け」(54.7%)が最も多く、次いで「カレンダー(壁掛もしくは卓上)」(27.0%) 、「携帯電話(iPhoneなどのスマートフォン)」(13.0%)、「メモ帳やノート」(11.7%)の順だった。手帳やカレンダーなど「アナログ・ツールのみ(手帳+カレンダー+メモ帳やノート)」が73.0%、「デジタル・ツールと併用(携帯電話+PC+Webサイト+電子機器)」が26.6%となり、アナログ派が多いという結果になった。

2014年の調査結果と比較すると、「アナログ手帳の使い分け」や「メモ帳やノート」などアナログ利用が増え、アナログ・ツールのみの利用者は66.1%から73.0%へ増加した。一方、「携帯電話(iPhoneなどのスマートフォン)」や「パソコンのスケジュール管理ソフト」の利用者は減少し、2014年には33.3%いた「デジタル併用派」が26.6%に減少している。

デジタル・ツールに対する考え方

紙の手帳とデジタル・ツールそれぞれに対してどんな考えを持っているのか尋ねたところ、デジタル・ツールでのスケジュール管理に関しては、「データ消失の心配がある」(75.1%)、「紙の手帳にもバックアップを取るべき」(68.0%)、「電池切れの心配がある」(63.1%)など、多くの回答者がデジタル・ツールのリスクを感じている結果になった。年代別に見ると、デジタル・ツールを使いこなしている20代で心配度が高くなっており、特に「電池切れ」(74.0%)に対する心配度が高く、痛い思いをした経験に基づいているようだと同社は見ている。

取引先でのデジタル・ツールの使用に関しては、20代が最も失礼だと感じており、上司世代にあたる50代や60代での割合は20代や30代よりも低い。また、全体の9割が「デジタル・ツールより紙の手帳の方が好きだ」と答えおり、デジタル・ツールのリスクを反映した結果ではないかと同社は推測している。