UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)はこのほど、11月15日の「家族の日」に合わせてとりまとめた「子育て世代に聞く 親世帯との同居・近居に関する調査」の結果を発表した。

「あなたが、現在のご両親(義父母含む)との居住距離(同居もしくは車や電車での距離)を始めた理由として、あてはまるものをすべてお答えください」

はじめに、同居や近居を始めたきっかけを聞いたところ、「結婚」7割を超えて最多となった。その他には「住宅購入」「出産」「保育園や小学校への進学」が主なきっかけとなっている。また、自由記入欄には「育児を助けてもらうため」(32歳・女性)、「出産後の職場復帰」(42歳・女性)、「東日本大震災」(41歳・女性)といった回答も見られた。

さらに、「結婚」を選んだ人を年代別に調べたところ、特に20代の近居者は72.7%と最も高い割合となり、同機構は「若い世代において、結婚を機に近居をすることがトレンドであると言えそうだ」と考察している。

「現在のご両親(義父母含む)との居住距離(同居もしくは車や電車での距離)に、どのようなメリットを感じていますか」

次に、同居者と近居者にそれぞれのメリットについて質問したところ、同居者のメリット1位は、「子供の緊急時に(親世帯に)対応してもらえる」(55.6%)で、近居者は「孫の成長を見せられる」(59.0%)という結果になった。この結果から、「同居者・近居者ともに親世帯による子育ての支援に助かっていることや、近居者は親世帯(祖父母)に孫の顔を頻繁に見せられることをうれしく感じていることがわかる」「同居者・近居者ともに、何か起きた時にはすぐにかけつけられる安心感や家族の絆の大切さを実感していることがうかがえる」とコメントしている。

同居者が挙げるメリットを細かく見ると、「家事の負担が減る」「不在時のサポートをお願いできる」「経済的に支援してもらえる」などがあった。一方で、近居者が自由回答として挙げたメリットでは、「物理的な距離が近いというだけで、安心感を得ていられる」(43歳・女性)、「干渉が少ない、たまに会う程度なので良好な関係でいられる」(33歳・女性)、「犬の世話をしてもらえる」(40歳・女性)などが挙げられている。

最後に、結婚や住宅購入のタイミングで住まいの形を見直すときに、子供世帯は親世帯にどのようなことを期待しているのかを聞いた。その結果、同居・近居者ともに1位は「子供の緊急時に、対応してもらえる」で、2位は「不在時のサポート」であった。3位は、同居者が「家事の支援」、近居者が「子供の教育の支援」という異なる結果となっている。

また、同居者の5位には「防犯上の安心感」という同居ならではの回答がランクイン。近居者の4人に1人は「世帯間の交流ができる」ことを期待しており、「孫と祖父母のコミュニケーションが頻繁にできることも同居や近居の良さと言える」とコメントしている。

同調査は8月12日~13日、マクロミルによるインターネット調査よって実施された。対象は、五大都市圏における15歳以下の子を持つ20~49歳の男女(親世帯と同居している男女412名、親世帯と近居している男女412名)。